読者の声 : 99.5.8号 (3/9)

励ましや、おしかりの言葉、ありがとうございます。

他の読者の方々の中にも、同じご意見を持った方がいらっしゃるかも知れません。自分の考えをまとめるための参考になる場合もあります。だから、「読者の声」は大事にしたいと考えています。
原則として、原文を掲載しています。新しい声から順番にご紹介しています。

それぞれの方々へのご意見もお待ちしています。
こちらのフォームで投稿するか、voice2@systrat.co.jp へお送り下さい。

この色は皆さんの声 (お返事付) この色は皆さんへのご意見です
この色は皆さんの声 (お返事なし)

Smoke or Die?【嫌煙権運動】99.4.1 掲載

 <匿名さん> 【日本ではいい葉巻がない】

        「かなりおもしろい」99.4.02

僕は煙草というか、煙が好きなようです。煙草はもちろん、葉巻もパイプも大好きです。

アメリカで仕事しているんですが、さすがにオフィスで煙草を吸う機会はほとんどありませんが、葉巻はアメリカの方が日本より市民権を得ていると思います。
まず、葉巻自体が安いから、気軽に手に入る。それに煙草を吸わない人(とくにビジネスマン)でも葉巻なら吸うという人はかなりいる。それに伴って、レストラン、バーで葉巻が吸えるケースが多い。

この前出張で日本に帰ったとき、食事の後、葉巻が吸いたくなりましたが、まず、普通の煙草屋でいい葉巻を売っておらず、昼のうちに高級デパートで買わないとだめ。で、吸えるバーなんて「シガー・バー」とわざわざ銘打って、完全にファッション化してるから、なんとそのバーに入るのに並ばないとだめ。というわけで、すっかり食事の余韻も冷めてしまい、ホテルに帰りました。

日本ってすぐアメリカの真似するから、葉巻ももっと真似してカジュアルに吸えるようにして欲しいものです。なにせ、日本に出来てアメリカに出来ないことがこの葉巻ではあるのですから。
そう、キューバの葉巻を売れることです。アメリカは制裁でキューバの葉巻は闇でしか手に入りませんから。

 <匿名さん> 【「口実」を与えられて、やっと自分の主張ができる】

        「かなりつまらない」99.4.07

ごめんなさい、今回は「おぉっ!?」と思うところがありませんでした。逆に「嫌煙権グループが非喫煙者を味方に付けた」というところの分析がちょっと足りないかなと。

 わたしは非喫煙者でドメスティックな嫌煙家でもありますが、たばこが健康に良いか悪いかというところは、実のところ、そんなに気にしていません(アルツハイマー予防にはいいと言われてますし)。
それに、わたしにも体が悪くてもやめられない悪癖はあります。
が、たばこもたばこを吸う人もとても嫌いです。
汚いし、臭いし、たばこを吸っている人のそばを通っただけで1日くらいずっと舌やのどに異物感が残ります。
体調の悪いときはたばこを吸う人の衣服のにおいだけで吐き気がします。
今の会社は禁煙だから入りました。

たばこは嗜好品ですから、好きな人がいらっしゃるのと同じくらい理由もなく無条件に嫌いだ!という人がいて、おかしくないでしょう?

ただ、(これは他の人に聞いたわけではないので非喫煙者、と総括するわけにはいきませんが、わたしの場合は)長いこと何となく「たばこというものは大人の高級な趣味だ。
吸わないのは子供っぽいし、文句を言うのはきわめて不寛容な態度である」「慣れれば平気なはずだ、慣れないのは慣れようとしないからだ」という周囲のプレッシャーを感じ、ずっと我慢していたわけです。
だいたいたばこを人前で吸う人は、今は違うでしょうが昔は大人の男の人ばかりでした。女子供には怖いし、相手にしてもらえない感じでした。
それに昔は、病院の待合室にさえ灰皿がありましたよね。

文句を言うほうがおかしいのであって、酒場に下戸が行くといじめられるとか、職場の花が部長にお尻をさわられるとかいうのと同じ図式がたばこにおいてもあったわけです。
でも下戸なら酒場に行かなければ済むことですし、セクハラもやっと法律で禁止されました。

が、たばこは仰るとおり携帯できる趣味です。
道を歩けば前を行く人の歩きたばこの煙が口に入っています。
その都度、息をとめ、足を早めて相手を追い越すしかありません。
(朝の通勤時には駅から出た人たちが一斉に吸い出しますからタイヘンです)

非喫煙者には今まで逃げ場がなかったわけで、そういう状況が尚更嫌いだ!という気持ちに拍車をかけるのかもしれません。
(元々たばこはスモーキングルームという限られた場でのみ楽しまれるものであったはずで、高級な大人の嗜みというイメージもそのときに作られたものなのですが・・・)

嫌煙権運動が、一部の運動家たちのものから一気に社会的なものとなっていった要因には、もちろん健康によくないというイメージが定着したことがあるのでしょうが(子供をもつ人がたばこを嫌がるのは主にこちらの理由でしょう)、わたしには、わたしと同じような潜在的な嫌煙者(言いたくても言えなかった)が、健康のためという「口実」を与えられてやっと自分の主張ができるようになった、公に言ってもいいという空気になった、ということのほうが大きいのではないか、と感じています。

ですから、今さらたばこは健康に害を与えていないとか、他にも体に悪いものはあるのだと言われても、この勢いは収まらないでしょう。
積極的に「たばこは体にいい!」と言われない限り。

ちなみにわたしの主人は喫煙者ですが、いつでもどこでもは吸いません。 非喫煙者がいるときは、空調による空気の流れに配慮して必ず風下に座りますし、風下ができない(=空気が流れない)場所では止めています。

そういう配慮があるときは、少々たばこが嫌いでも耐えられるものなんですよね。 やっぱり体調は変になりますが。
世の大半の(というふうに感じてしまうんです嫌いだと)喫煙者の「自分の趣味を何がなんでも人に押しつける傲慢さ」がなくなれば、一方の極である「何がなんでも絶対禁煙」という人も、減っていくのだろうと思います。

 <渡辺さん> 【御社の採用に関して疑問があります】

        「ややおもしろい」99.4.07

 いつも大変楽しく読ませて頂いています。日立の回や、アサヒの回など、身につまされて読みました。

 さて、今回の禁煙運動についてですが、お話自体は楽しく読ませて頂きました。ただし、御社の採用に関して、「たばこの煙の中で働ける」を条件とされているようですが、少々問題ではないでしょうか。良い職場で働きたいという気持ちは誰でも持っています。特に最近のような就職難の状況に於いては、雇用という武器は、大きな威力を持ちます。ある意味で考えると、雇用という関係を武器に、「たばこの煙の中で働ける」という条件を押し付けているように見えるのですが、考え過ぎでしょうか。同様な問題として、雇用を武器に、性的関係を迫る、所謂セクハラの一部がありますが、「本人がある条件を知った上で、雇用を選びたいのだから、問題ない。」と言えるでしょうか。

 禁煙キャンペーンの行き過ぎは、ご指摘の通りですが、健康に害がある(私はそう信じ(され)ています。)のが分かっているのなら、従業員の健康に気を使う必要があるのではないでしょうか。森さんの大切な人が、雇用のために、健康を害する(可能性の高い)環境で仕事をするのを容認出来ますか。

 ちなみに、私は禁煙団体とは一切関係ありませんが、非喫煙者です。持論としては、「吸いたい人は、他人に迷惑にならない所で、好きなだけ吸えば良い。」と考えています。
初めてメールする相手に対しては、多少きつい内容ですが、気になりましたので、書かせて頂きました。今後も、為になるメルマガをお願いします。


【お返事】

>ある意味で考えると、雇用という関係を武器に、「たばこの煙の中で
>働ける」という条件を押し付けているように見えるのですが、考え過ぎでしょうか。

ご指摘、ありがとうございます。
そこまで、複雑なことは考えておりません。
単に、私がたばこを吸いたい、というわがままです (笑)
また、この方針は現在の雇用関係の不安定さ以前から採用しているものですから、それを武器にしているという意図はありません。

>同様な問題として、雇用を武器に、性的関係を迫る、所謂セクハラの一部があります
>が、「本人がある条件を知った上で、雇用を選びたいのだから、問題ない。」と言え
>るでしょうか。

セクハラと一緒にされてしまうのも困ってしまいます (笑)
ただ、一般的なセクハラは入社前に行われる「武器」ではなく、入社後しかも「入社前には知らない」条件下での「武器」なので、更に返答に困ってしまいます。

「じゃあ、入社したらセクハラに遭うことが分かっていれば、いいのですか」
という質問には、
「そういう会社が存続できるのなら、また、本人がメリットがあると感じているなら否定・非難はしません」
という回答になってしまいます。例えば、芸能界はその典型ですし (笑)
ただ、自分はそういう会社には行かない、です。
アメリカではゲイの人に随分ともててしまいましたので (笑)

なお、私は就職活動の時、アルコールメーカーには行きませんでした。お酒が飲めないからです。また、自分と合わないと感じた人事担当者がいた会社にも、試験は受けませんでした。長くつき合えない、と思ったからです。ちなみに、私が卒業したのは昭和53年で、オイルショック不況の真っ最中でした。雇用情勢は現在と同じくらいひどいものでした。

誤解がないようにつけ加えますと、シストラットでは「いわゆるセクハラ」はありません。そんなことをしたら、女性ばかりの会社ですから「会社が存続しなく」なります (笑)

> 禁煙キャンペーンの行き過ぎは、ご指摘の通りですが、健康に害がある(私はそう
>信じ(され)ています。)のが分かっているのなら、従業員の健康に気を使う必要が
>あるのではないでしょうか。森さんの大切な人が、雇用のために、健康を害する(可
>能性の高い)環境で仕事をするのを容認出来ますか。

これも、返答に困ってしまいます (笑)
私自身は例えば自分の友人がしたいことは止めない、ただし、情報だけはインプットしておく、というタイプなので「容認する、しない」という判断基準は持っておりません。

>初めてメールする相手に対しては、多少きつい内容ですが、気になりました
>ので、書かせて頂きました。今後も、為になるメルマガをお願いします。

いえいえ、これからもお気軽にどうぞ。
ただ、質問によっては今回のように返答に困ってしまうこともあるかも知れませんが、ご容赦下さい。


【お返事】

まず、正面からご回答いただきましてありがとうございます。

> 武器にしているという意図はありません。

当然森さんの方としては武器にしているとはお考えでないと思います。また、昨今の雇用関係の不安定さの以前であっても、良い会社には働きたいという人が多いわけで、問題がない訳ではありません。

> ただ、一般的なセクハラは入社前に行われる「武器」ではなく、入社後しかも
> 「入社前には知らない」条件下での「武器」なので、更に返答に困ってしまい

日本ではセクハラは、主に入社後ですが、本当は入社前の方が深刻です。要するに「採用してほしければ、XXXXさせろ。」的なものです。私が言ったのは、どちらというとこのケースの方です。

> 誤解がないようにつけ加えますと、シストラットでは「いわゆるセクハラ」は
> ありません。そんなことをしたら、女性ばかりの会社ですから「会社が存続し
> なく」なります (笑)

もちろん森さんのような方が、そのような事があるとは思えません。

> ただ、質問によっては今回のように返答に困ってしまうこともあるかも知れま
> せんが、ご容赦下さい。

とにかく、ちゃんとレスポンスいただきありがとうございました。

 <マーケッター五郎さん> 【ペプシに置き換えると】

        「ややおもしろい」99.4.06

袋の上からさわってみて「コレダッ!」と選んでいるのに、買っても、買っても、フレンチフライのペプシマンが当たらない! オマケという文字どおりベタなこのキャンペーン、けっこうイクのでは。近所のセブンイレブンでは、なんとPEPSI売り切れってこともけっこうあります。COKEもあわててピンバッチみたいなものをつけだしたようですが、同じ土俵に上がってしまっては強いキャラクターをもっているPEPSIの勝ちですよね。獲得したトライアルを今後どうユーザーに進化させていくか。これからのPEPSの出方が楽しみです。

さてさて。昔「今日も元気だ、煙草がうまい」って名コピーがあったそうですが、私にとって煙草とはそんな感じです。PEPなものです。(我ながら強引な展開ですね)

私も煙草大好きです。森さんほどではありませんが、1日3箱くらい吸っています。飲みにいったときやたまに麻雀を打ったときには一気に5箱くらいになってしまって、次の日喉が痛いです。風邪をひいたときには、ビタミンCをボリボリ食いつつスパスパ吸います。「オレって馬鹿者?」と思いながら。でも、やめられません。好きだから。

<ラークはアメリカでは弱小ブランド>って話を読んで、数年前ニューヨークに行ったときのことを思い出しました。
マリオットマーキスの近くのバーに入って、カッコよく「IWハーパー、プリーズ」と決めてみたのですが、バーテンダーは「???」って顔をするのです。

てっきり自分の発音が悪いんだろうなと思い、ゆっくり言ったり、恥ずかしながらも巻き舌で発音してみたり、しまいにはスペルを紙に書いてまでしたのですが、「この日本人は何をほざいているのだ? そんなバーボン、聞いたこともないぞ」って感じです。「バーボンといえば、ジムビームかジャックダニエルだろうが、この田舎者め」とあしらわれてしまいました。トホホです。

日本においてIWハーパーは「ニューヨーカーに人気のおしゃれなバーボン」的なコンセプトでずっと広告を打ってきたように思えます。その世界をすっかり信じ切っていた私は本当に田舎者だったのでしょう。それを素直に受け入れる田舎者的素地ってやつの才能があるのでしょう。

「ニューヨーク生まれのおしゃれなバーボン」ってコンセプトを、ふつうの日本語に翻訳すれば「南青山で人気のいも焼酎」ってこと。よく考えてみれば、そんなのオカシイ! 嘘じゃん! あり得ない! 畜生! 輸入元の某サントリーよ、よく聞け! オレを敵に回すとこわいぞ! オレはこれでもバーボンを家で3日に1本は空けているんだぞ。まいったか。まいらないか。まいるわけないか。でもいい、お前のとこの飲料は二度と飲まんゾ! オレは賢い消費者になったのだ、お前らのブランドづくりの巧妙さやプロモーションのうまさにもうだまされないもんねと意を決した私でした。(と言いつつ、数年後ペプシマンに乗せられてしまう私なんですが…)

で、いきなり<副煙流>の話ですが。
世の中にいきなり出できて、パッと広まって、うちの嫁まで鬼の首を取ったかのようにオレの喫煙を迫害しだして、どうも変だぞ、眉唾くさいなと思いつつも夜風吹きあれるバルコニーで寂しく一服していたら、やっぱりそうだったんですか。そんな誇張があったとは。うますぎるぞ、反禁煙団体!

でも、パッと広まるとゆーことは、<受け入れる心理的素地>=煙草は健康に悪いという絶対的イメージのみならず、煙草の煙に対して吸わない人は少なくてもこころよく思っていなかったとゆー下地があったからなのだな。少し、反省…。

成熟しきっている時代、情報過多の時代、自分に関係のない話が多すぎる時代の中で、他人事をいかに自分事のように感じさせるか。当たり前ですが、それが昨今のマーケティングやプロモーション活動の大きなテーマなんですね。そして、それをスピード感をもって成功させるには、<連想心理>が拡がりやすい下地がすでにあり、表現としては<事実っぽいもの><お墨付き>あるイメージづけが大切である、と。

国鉄時代の赤字を解消するため、お互い吸わなすぎに注意しましょう。我々は命がけで国家の借金を返済しているのだ。愛煙者は愛国者でもある。なあんてね。

今回のメールは意味なく饒舌になってしまいました。いらん話が多すぎる。ごめんなさいね。昨日読んだ町田康のせいかしら。次回作、楽しみにしております。ところで、追伸。セブンスターの「サイレントスモーク」って広告を見るたび、私は「男は黙ってサッポロビール」を思い出してしまいます。だから、と、つっこまれると困りますが。

--------【続けて届いたコメント】--------

「私はこう見る」は、「資本主義社会において、商品をいっぱい売ることは善であり、そのために考えを巡らせることはこんなにオモシロイのだ」とゆー前提で書かれているような気がします。私も、そのとおりだと思います。

そして、「忙しい」とゆーことは「商品としての自分がビジネスという市場でものすごく求められている」とゆーことですから、たいへん喜ばしい状況であります。
ますますのご多忙、死なない程度に願っております。自分とゆー商品は、「在庫限りの一点もの」ですので。

で、先日のメールの続きです。この前のメールは、読み返してみて、ちょっと右翼が入ってます。奇人変人です。きっと満開だった桜のせいです。ところで、右翼からの連想で、ふと思ったのですが、森さんって、総会屋にも向いているんじゃないか。ああ、また話が脱線してしまいました。花見の酒が未だ残っている。失礼なことをいうやつですね。それくらい切れ者だってことを伝えたかっただけなんですけれど。うれしくない。ごめんなさい。ぶたないでください。

では、続きを書いてみます。(続いてないかも知れないけれど)
お返事はいりません。忙しいでしょうし、私はただ、自分の思いつきを文章というカタチにし、不幸の手紙よろしく、誰かに送りつけたいだけなんですから。オレって寂しいのか。

「副煙流:煙草は周囲にも害を及ぼす」という医学界からの事実をちょこっといいとこどりし、「個人の嗜好の問題」=「他人事」と思っていた「非喫煙者」=「世論」を味方につけ、自分たちにとって展開を有利に進めるという手法。この物語の骨格を他に活用するなら、例えばどうなるのか。そんなことを、メールを送った後、帰りの電車の中で考えてしまったのです。

例えば、PEPSIなら。(ああ、これでやっと前回のメールの出だしが、出だしとしての意味を持つ!)
仮にPEPSIがペプシマンボトルキャップキャンペーンを大成功させても、COKEから見れば、ま、足の臑あたりがちょっとかゆくなるかも知れないけれど、そんなに痛くはない。少なくともCOKE王国が揺らぐことはない。コンビニは重要チャネルの一つだけれども、ま、キャンペーン中の一時的なものであるはずだし、マクドナルドなど主要レストランは押さえてあるし、何よりCOKEには全国に築いたベンダー・ネットワークがあるから。

自動販売機。これを何とかしない限り、PEPSI小国はCOKE王国を切り崩せない。
とゆうか近づくことすらできない。
その点、PEPSIだって当然考えていて、SUNTORYと組んだのは、SUNTORYの自販機にPEPSIを置きたいって理由も大きかったのだと思う。でも、ね。違うんですよね、自販機の数が。COKEの自販機に比べれば、SUNTORYの自販機の数なんて屁みたいなものでしょう。だったら、増やせばいいんだろうけれども、許してくれないんですよね、時代が。自販機は、環境とか通行の邪魔だとか、そういった問題を抱えているから。

そういった問題が生じる前にベンダーネットワークを構築したCOKEは、もう既得権みたいなもんで、左うちわなんでしょう。ライバルが同規模のネットワークを構築するにはものすごく資本がかかるし、何より時代が許さない。ある意味で世論がCOKEの既得権を守ってくれているわけです。さて、どうするか。
拡げられないんだったら、足をひっぱる。PEPSIのみならず下位メーカーはそれしかないでしょう。

「自動販売機は悪である」という世論を形成するしかないんじゃないかしら。これは自分の首も絞めることにもなるんだろうけど、ここまでしないとCOKEの牙城は切り崩せない。まともな勝負に持ち込めない。

少なくとも都市部においては24時間営業のコンビニがそこかしこにあり、自販機の存在意義というもの自体が薄れている。あってもいいけど、ちょっと多すぎるんじゃないかとうすうす感じている。事実、多すぎる。そういった深層心理を背景に、「コカコーラの自動販売機を全部止めれば原発一ついらなくなる」といった情報(例えばです。現時点で事実かどうか知りません)を市民グループにリークする。「街の美観を損ねる」「通行の邪魔」「不良がたむろしている」などという話も付帯する。「自販機がなくなってもコンビニがあるから困らない」ということも必ず付け加える。自動販売機、中でも、あのどこにでもある、見なれた、赤い自販機を、わかりやすい敵になっていただこう・・・

クーラーを控えようなんて説教されるとイヤだけど、自販機くらいなくなってもいいかも・・・
考えてみれば別に困らないし、地球にやさしそう(笑)じゃん・・・って大衆が思い始めたらしめたもの。
先生にすぐ言いつけるのが得意技のいいこぶりっこ学級委員みたいな某朝日新聞も応援してくれそうです。

極論というより暴論ですね。オレって、性格悪いのか。では、また!


【お返事】

>をもっているPEPSIの勝ちですよね。獲得したトライアルを今後どうユーザーに進
>化させていくか。これからのPEPSの出方が楽しみです。

ペプシの話がつながらかったのですが、前回のメールで初めて分かりました (笑)

>私も煙草大好きです。森さんほどではありませんが、1日3箱くらい吸っていま
>す。飲みにいったときやたまに麻雀を打ったときには一気に5箱くらいになって

うわぁ、それも凄いですね。
男性は1日平均24本というから、ほぼ2.5倍!!

>でもいい、お前のとこの飲料は二度と飲まんゾ! オレは賢い消費者になったの
>だ、お前らのブランドづくりの巧妙さやプロモーションのうまさにもうだまされ
>ないもんねと意を決した私でした。

思わず笑ってしまいましたが、実はかなり含蓄のあるお話です。
「最近の生活者は賢くなった」といいますが、正にマーケッター五郎さんのような経緯で学習して行くんです。この点を見逃して「賢くなったから、こうする、ああする」と企画をこねくり回しても効果はないのです。
ワン・ツー・ワン・マーケティングという概念が流行っていますが、本来マーケティングというのは「ワン・ツー・ワン」にブレイクダウンして考える必要のある科学のハズなんです。
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>でも、パッと広まるとゆーことは、<受け入れる心理的素地>=煙草は健康に悪
>いという絶対的イメージのみならず、煙草の煙に対して吸わない人は少なくても
>こころよく思っていなかったとゆー下地があったからなのだな。少し、反省…。

はい。そのとおりです。
他の読者の方々からのコメントもかなり参考になります。

>成熟しきっている時代、情報過多の時代、自分に関係のない話が多すぎる時代の
>中で、他人事をいかに自分事のように感じさせるか。当たり前ですが、それが昨
>今のマーケティングやプロモーション活動の大きなテーマなんですね。

ご明察です。
広告業界に「インパクト」という言葉があります。
古い考え方の人たちは「インパクト=派手」と思い込んでいますが、現代は「インパクト=共感=自分事」なのです。必ずしも「派手さ」は必要がないのは「トップブリーダーが推奨する」広告でも証明されていることなんですが。

>ところで、追伸。セブンスターの「サイレントスモーク」って広告を見るたび、
>私は「男は黙ってサッポロビール」を思い出してしまいます。

セブンスターの訴求している世界は、ご指摘のとおり「男は黙って・・」の「男臭さ」です。昔の「男、一本、セブンスター」が象徴的です。だから、マーケッター五郎さんの連想は「正しい」です。

--------【続けて届いたコメントへのコメント】--------

>「私はこう見る」は、「資本主義社会において、商品をいっぱい売ることは善で
>あり、そのために考えを巡らせることはこんなにオモシロイのだ」とゆー前提で
>書かれているような気がします。私も、そのとおりだと思います。

大正解です。
この前提は、私のコンサルタントとしての前提でもあります。
ただ、1つだけあるとすれば、「できるだけ長く」という期間の問題が大事だということです。そういう観点で言えば、私のマーケティングはロングセラー化のマーケティングともいえます。

>そして、「忙しい」とゆーことは「商品としての自分がビジネスという市場でも
>のすごく求められている」とゆーことですから、たいへん喜ばしい状況でありま
>す。

ありがとうございます。
同感です。こういう時は充実しています。

>ますますのご多忙、死なない程度に願っております。自分とゆー商品は、「在庫
>限りの一点もの」ですので。

お気遣い、ありがとうございます。
「使っても減らない不思議な在庫」でもあります。
正確には「減っても、何故かわき出てくる在庫」です。
・・・なんだか、自分がボウフラのように思えてきました。悲しい (笑)

>それくらい切れ者だってことを伝えたかっただけ
>なんですけれど。うれしくない。ごめんなさい。ぶたないでください。

いえ、総会屋って良く知らないので、素直に喜びます。
後で、実態を知ったら怒るかも知れませんが (笑)

>「自動販売機は悪である」という世論を形成するしかないんじゃないかしら。こ
>れは自分の首も絞めることにもなるんだろうけど、ここまでしないとCOKEの牙城
>は切り崩せない。まともな勝負に持ち込めない。

大変良い視点です。
座布団20枚あげます!!!
マーケティングではかなり高度な戦略ですが、このような方法は実在します。
もちろん、「足を引っ張る」というより「ルールを変える」という方法ですが。
「Change the Rule of the Game」と呼ばれます。

最も有名な戦略はアメリカでの「Legg's」というストッキング (旧パンスト) です。
それまでのストッキングの売場と言えば洋服屋が相場でした。
この小さな会社は、営業力がないために従来の洋服屋には入り込めません。大きな競合企業が邪魔をしているからです。

彼らは、一計を案じました。
「ストッキング=洋服屋」では売れる方法が考えられない。それにこだわるのではなく、「女性が最も多く訪れるところはどこだろう」と考えたわけです。その結論が「スーパーマーケット」。今でこそ、スーパーでストッキングを買うのは当たり前ですが、当時はどこも売っていない。ただ、そのままでは、スーパーは店に置いてくれません。
まず、棚を取るのが大変だからです。売れるかどうか分からないものに、大切な売場スペースは上げられない。また、当時のストッキングは厚紙にストッキングを巻き付けたものが主流です (日本では今でもそうです)。パッケージの面積が大きいので、売場では目立ちますがスペースを取るのが大変。

そこで、彼らが開発したのが専用の什器です。キオスクの文庫本の陳列のように、くるくる回る陳列台を作り、従来の棚ではなく通路の端に置いてもらうようにしました。また、パッケージもたまごの形のプラスチック容器を開発し、その中にストッキングを丸めて入れる方法にしました。名前はたまご (egg) と足 (leg) を掛け合わせた「Legg's」。
もちろん、大ヒット。
スーパーでストッキングという常識はここから始まりました。また、Legg's は一気にその流通網を広げたので、昔の競合大企業は入り込む余地がありませんでした。

こういった例は、ペットフードでもいえます。
ヨーロッパでは缶タイプのペットフードが主流です。
日本では、犬は煎餅のようなドライタイプが主流だったのを、マスターフーズが「ペディグリーチャム」で、ひっくり返してしまいました。これも「Change the Rule of the Game」です。
アメリカではピュリナがドライのルールを作ってしまい、マスターフーズ (アメリカではカルカン社) は苦戦していますけど。

>極論というより暴論ですね。オレって、性格悪いのか。では、また!

あっ、マーケティングって、極めてくると性格、悪くなります (笑)
だって、競合相手の弱いところをどう突っつくか、なんてことを考えるのですから。
そういう意味では今回のマーケッター五郎さんは「極悪人」です (大笑)


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