readers' voice

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この色は皆さんの声 (お返事なし)

「いつも少年の心」は、時にはアダになる【アサヒビール】
  99.2.1 掲載【その4】

 <しょうすけさん> 【ビアウォーターとラガーライトは?】

           「ややおもしろい」99.2.9

ちょうど、年齢的に業界ターゲットのど真中であり、まさに、ビール好きであることも手伝い、また、キリンの端麗・生を箱で購入していることもあって、とっても楽しめました。

ただ、楽しいからこそ、好きだからこそ、厳しく行きます。
要望は2点です。

1.もう一歩突っ込んで欲しかった。

生活者の反応がわかっていないので、なんとも言えないのは判りますが、せっかく最高のタイミングで、発売前広告がすばらしかったビアウォーターや、かたや、広告では完全に失敗したと思われるラガーライトが発売になっているのです。
最後に、これらのアサヒ・キリンの新製品がマーケティング的には、いや、森さん的にはどうなのか、コメントして結んでいただけると、もう、絶賛でした。

せっかくなので、これらの新製品に対する私見をひとつ。
ビアウォーターは4.5%のアルコールで、本当にビールの飲み方を変えられるのか、画面を斜めに横切る分割線をイメージに使った広告戦略はすばらしいが、さわやかな新しいビールというイメージ以上の内容は伝わってきません。今の時点では、それで充分なのでしょう。
発売前広告と、発売告知広告と来て、きっと、次の広告で、どのようなビールなのか、どのような飲み方に変わるのか、納得させられるでしょう。

ラガーライトは、へたすると、キリンのラガーブランドの崩壊につながるののではないかと危惧しています。
ビール好きのためのライトビールを作れ。広告を読むと命令されます。
ターゲットは30才台、男性のはず。
彼らは会社で命令され、家に帰っても命令され、命令されることを決して好んでいるとは思えません。

そこへ、赤井さんという、濃いキャラクターの登場です。おまけにビールのイメージからはかけ離れた表情での登場でした。
これが成功するとは、決して思えません。
また、派生ブランドとはいえ、ラガーはラガーです。このライトの失敗で、本家ラガーブランドに対する社内での評価が傾き始め、ラガーブランドの生産中止にならないことを祈っています。
なんせ、私は、端麗 生の継続購入者であり、店頭では必ずラガーを指名する保守派なのですから。

ひょとすると、これは森さんの術中にはまってしまったのでしょうか。
何人の方が、この2種類のビールに対するコメントを送ったことでしょう。
次号のメールマガジンで、今回の続きとして、今春の新製品マーケティングに対する森さんの毒舌が展開されるのでしょうか…。

2.せっかくの文章の流れが…

文章の流れが止まってしまう事がありましたので。

>リンが25.3%。キリンがトップになったのが、1954年だから、実に40年強もの間、
>トップであり続けたのです。
>
>が、サッポロとアサヒが大喧嘩している最中に、全国に工場と営業所を持つキリ
>ンが当時伸び盛りだった家庭用市場を中心に徐々にシェアを伸ばし、たった4年後
>の1954年、気がついたときにはキリンがトップメーカーになっていました。

ここの2段落目の“が、”は、要らないと思います。
前段落の最後の文章とこの段落ではキリンがトップになったという同じことを言っていますね。

次に気になったのは、ビール広告の王道とはという点。

>の規格から持たらされたものです。主流になるのは当然です。
>さて、そういう観点から見るとスーパードライ以降の新製品の多くは、じっく
>り、うまさを噛み締め、といった路線でした。そう、スーパードライの広告は
>「ビールそのものの広告」でもあったのです。

念の為、“スーパードライ以降の新製品”には、スーパードライは含まれます。
この場合、おっしゃりたいのは、“スーパードライ以降のそれ以外の新製品は”という意味でしょうか。スーパードライが「ビールそのものの広告」であるのに対し、それ以外の以降の製品はビールそのものの広告にはなっていないと。
スーパードライはトップの器だが、一番絞りはそうではないと。
そう考えるとこの段落はすっきりするのですが、
その少し後に、

>「すべてはお客様のうまいのために」のスーパードライの一連の広告も同じです。
>ビールの広告ではないのです。

あれ?

ここまで来て、もう一度読み返して、はたと気がつき、最初からもう一度読みました。
スーパードライの広告には3種類あったのですね。
(1) 初期の「こくがあるのに、きれがある」
(2) かせたいしゅうを使ったイメージ広告
(3)「すべてはお客様のうまいのために」
この、(1) はビール王道の広告であるのに対して、(2) や(3)はそうではないとおっしゃりたいのでしょうか。
それとも、(1),(2),(3)、どれも王道の広告ではないのでしょうか。
はたまた、「ビールそのものの広告」と、「ビールの広告」とは、その意味が違うのでしょうか。
わたしの頭が硬いのでしょうか。
なんせ、この商品のターゲットの中核なのでしかたないかと。

確かに、ややこしいことなのですが、折角すぱっと流れてきた文章がここで滞ってしまい、とてももったいないのです。

ひょっとして、これは、森さんの文書作成環境から来ているのではないでしょうか。
これまでも、めったに無いのですが、ごくまれに、文書の流れが滞ったり、重複したりしたことが有った気がします。
モバイルギヤはすばらしいのですが、どうも入力画面の上下幅が狭く、横書き文書を推敲する際に、前後の関連が薄くなりがちなのではないでしょうか。この点、もちろん、森さんは帰社後に別のマシンで推敲なさっているでしょうが、パソコンの画面で推敲する以上、どうしても防ぎきれない問題だと思います。

以上、辛口になりきれませんでしたが、是非、ご一考下さい。
また、コメント欄は、もう少し縦長がいいですね。

風邪が消化器系を駆け回り、1週間の長期休暇を取ってしまいました。
お体にはお気をつけ下さい。


【お返事】

お風邪はもう直りましたか?

>ただ、楽しいからこそ、好きだからこそ、厳しく行きます。

うっ、恐いけど、嬉しいです (笑)

>1.もう一歩突っ込んで欲しかった。

>く最高のタイミングで、発売前広告がすばらしかったビアウォーターや、かた
>や、広告では完全に失敗したと思われるラガーライトが発売になっているので

はい。この2銘柄についてどう思っているかを知りたいという読者の方が何人かいらっしゃいました。
時間切れだったので、省略してしまいました。ごめんなさい。
というのも、文章量がぎりぎりだったので、これらについて書くだけでなく、他の文章を削って全体のバランスを取る作業がかなりかかるだろうというという判断でした。
痛いところを突かれてしまいました (笑)

>わやかな新しいビールというイメージ以上の内容は伝わってきません。

ビアウォーターは商品戦略も広告戦略も失敗ではないか、と私は思っています。
まず、ネーミングが誤解を招きます。
「ウォーター」は普通名詞です。これを使うと、「ナチュラル・ウォーター」のように、「最終的な商品は『水』」だというイメージになってしまいます。もちろん、「アルコール度数4.5%」というコピーは入っていますが、コピーの精読率 (ちゃんと読む人の割合) は2%以下です。つまり、最大で98%の人には「ああ、ビールの味の『水』なんだ」という誤解がある可能性があります。ただ、現実的には「アサヒが出している」ので、「『水』ではないだろうけど、『水のように薄いビール』」というイメージは伝わるとは思いますが。

すると、今度は「水のように薄いビール」に受容性があるかどうか、という点が検討課題になります。
「水っぽい」という言葉はこういった嗜好品では否定的な意味で使われます。
それを連想するようなネーミングや助長するような広告は、否定的なニュアンスが出てもおかしくありません。
スーパードライは「『コクがあるのに』キレがある」という「バランス」をベースにしたコンセプトなので、その心配はありませんでしたが、この場合は「キレのあるビール」あるいは、たばこの世界で言えば「軽さに味がある」ではなく「軽いだけ」のたばこ、と同等の意味を持ちます。

たばこの場合は健康問題がありますので、「軽いだけ」でも、相応の受容性がありますが、それでも、喫煙を「楽しむ」人にとっては否定的な要素です。実際、PM の1mg のだはこ (名前を失念してしまいました) は、1mg なのに「ガツンと来る味」などと、ほとんど誇大広告に近い表現に変えています。

>ラガーライトは、へたすると、キリンのラガーブランドの崩壊につながるのので
>はないかと危惧しています。

私はお酒が弱いし、ビールも飲まないので「ユーザーの立場としては」何とも言えませんが、逆にこちらはそこそこ成功するのではないか、という気がします。
以前の経験、という観点で見れば、キリンはライトビールで一度失敗しています。
それだけを見ると今回も失敗しそうなのですが、時代背景や嗜好の変化を考えるとあながち、同じ失敗をするとは思いにくいです。

●評価基準が異なる

以前、ライトビールをキリンが出した昭和40年代の後半はラガーがビールの代名詞でした。つまり、あの苦みやコクが「ビール」だったのです。それと比べるとライトビールは「ビール好きを馬鹿にしている」というほど、「まがいもの」的なイメージになります。
が、現在の主流はスーパードライとラガーです。比較する距離が以前より短くなっています。つまりそれだけ受け入れやすい土壌になっているといえます。

同様の例があります。たばこにモアという細身で120ミリの長いブランドがあります。
たばこの主流がマイルドセブンやセブンスターのように、ちょっと太めで80ミリだったころは、その心理的距離が離れすぎていたために、そこそこは売れたものの、販売の伸びは止まってしまいました。が、その中間の100ミリであるパーラメントやバージニアスリムが売れた途端、モアの販売が何もしないのに伸びたのです。
主流は依然、80ミリあるいはキャビンやラークなどの85ミリでしたが、100ミリが傍系として独立したので、120ミリに以前のような抵抗感がなくなったのが原因のようです。

●必要なエネルギー量が異なる

人間は常にエネルギーを発散しています。
それが多い場合は、外界からの強い刺激でも十分に耐えられます。いや、その刺激を楽しむことすら可能です。
でも、それが少なくなると、いぜんと同じ強さの刺激では強すぎてしまいます。
さて、昭和40年代後半と今とでは、日本人が必要とするエネルギー摂取量は80%ほどと言われています。つまり、軽いものが好まれるのはこのせいです。
ライトビールのコンセプト人間の生理学という観点から、受容性が高くても不思議はありません。

●同様の例がお菓子にある

ターゲットが違いますから、単純に比較はできません。でも、ヒントや参考にはなります。
今まで、お菓子、特にチョコレートなどの甘いお菓子にカロリーや健康というキーワードを入れて成功した試しがありませんでした。
理由は簡単。ダイエットは気になるけど、中途半端なチョコを食べるくらいなら、初めから食べない。そして、ダイエットの敵を食べようと思ったときにはすでに開き直っていて、せっかくならおいしいものが食べたい、という気持ちになっていたからです。

それが、ロッテのゼロで常識が一気に覆されました。
ダイエットを意識したチョコが売れてしまったのです。
もちろん、その背景には、洋菓子より和菓子の方がカロリーが少ないために見直された、等の現象があるのを忘れてはいけません。
この菓子業界の現象がどう直接ビールに結びつくかはわかりません。でも、少なくとも「カロリー」に対する消費者の見方に変化があるのは事実です。ターゲットが違っていても、同様の行動をすることは可能性として否定できません。もちろん、これをきちんと説明するまでにはある程度時間はかかりますが。

●命令されることを積極的に好む人は確実に存在しますし、数が多いのです

しょうすけさんは自らを

  >店頭では必ずラガーを指名する保守
  >派なのですから。

と称されていますが、味は保守的かも知れませんが、先進層あるいは準先進層だと思っています。
まず、すでに「新製品である」端麗 生の継続購入者であること。
保守派は新製品を購入するのはもっと遅いです。
また、既にインターネットを十分に活用していること。
インターネットの普及率はまだ10%程度です。この世界に関して言えば十分に先進的な存在です。
また、読者の中でも先進層です。4000人の読者で継続的にコメントを頂く方々は数10人です。

そして、最も大きなヒントは「命令されるのが嫌い」ということです。これは、保守層の価値観ではありません。
命令というあからさまな表現かどうかは別にして、他人が敷いたレールやルールに従うことを好む人は保守層で数は圧倒的に多いです。だって、自分でルールを作るより楽ですもの。

以前いたコンサルタントの会社は「命令されるのが大嫌いで、とうとう一般社会から飛び出してしまった」連中の集まりでした。だから、通常の企業のように細かいルールはありません。給与の額を含めて (!) 自分で決めること。その代わり責任も自分で取る。という珍しい会社でした。
ところが、歴史も長くなり、普通のビジネスマンが入社してくるようになると、社員から「ルールがないのはやりにくい。ルールを決めてくれ」という声が上がるようになってきたのです。つまり、管理するより管理される方を選ぶ人たちです。

「えっ?」と思うかも知れません。でも、「本当に自由」(別な言い方をすれば、何も教えてくれない) 環境にあると、管理されていない状態はストレスが溜まるのです。言い訳もきかず、文句も言えない、成功も失敗も全部自分のせいだ。これでは、慣れていないと精神的に参ってしまうようです。

キリンラガーの広告は「良い広告」だとは思いません。
でも、命令されるのが嫌だから、広告のコンセプトは悪い、とは「本当の保守層」には言い切れないのでないか、と考えています。それよりも、商品コンセプトであるカロリー・オフの方が商品力という観点からは「売れる要素」ではないか、と考えています。

もちろん、以上のことは私の仮説です。
これは、最終的には生活者のデータをきちんと見てみないと何とも言えません。

>ひょとすると、これは森さんの術中にはまってしまったのでしょうか。

あっ、いえ、そんなことはありません (笑)
単に時間切れだっただけです (笑)

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>ここの2段落目の“が、”は、要らないと思います。
はい。
ご指摘のとおりでした。
修正しました。
ありがとうございます。
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>この場合、おっしゃりたいのは、“スーパードライ以降のそれ以外の新製品は”

これもご指摘のとおりです。
修正いたしました。
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この、(1) はビール王道の広告であるのに対して、(2) や(3)はそうではないとおっしゃりたいのでしょうか。
それとも、(1),(2),(3)、どれも王道の広告ではないのでしょうか。

ここは舌足らずでした。ごめんさない。
初期の「コクがあるのに、キレがある」は王道ではありません。現在の一番絞りと同じような「差別化」の広告です。
でも、スーパードライの最初の「落合信彦の挑戦」広告はビールの王道です。
力強く、でもどこか爽やかで外的。

>(2) かせたいしゅうを使ったイメージ広告
>(3)「すべてはお客様のうまいのために」

は、どちらも王道ではありません。
前者はカジュアルでみんなでワイワイというニュアンスがありません。
後者も、語りかける「一人称」です。

私が指摘している王道の広告は、落合信彦以外では、加瀬大周の次からの外人のプロ達がみんなで飲んでいる広告だったり、梅宮辰夫がバーベキューをしている広告のことです。これらは単体では話題になった広告ではありませんが、しっかりとスーパードライのイメージに貢献しているものです。
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>ひょっとして、これは、森さんの文書作成環境から来ているのではないでしょう

あっ、バレてしまいました (笑)
モバイルギアは確かに使い勝手の良い機械ですが、長文を書くときはその行数制限のため苦労します。それは、モバイルギアからデスクトップのマックにデータを移し、推敲をする段階で実感します。その大半が細かい文字の修正ではなく、大きな段落や論理構成の修正なのです。
CtheDの時などは、マックに移してから、ほとんど全ての章を前後に入れ替えましたもの。
これから気をつけます。
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>また、コメント欄は、もう少し縦長がいいですね。

うーん。これが難しいのです。私も困っています。
例えば、ネットスケープとIEとでは、同じ指定をしてもボックスのサイズが全く違って見えるのです。
また、縦長過ぎると次の記事へのナビゲーション・ボタンがスクロールしないと見えないし、かといって、ナビゲーション・ボタンをコメント欄の上に持ってくると、コメントしようという気になる前に次の記事に移ってしまう。

何かいいアイデアがあれば私も飛びつきたいです。

それぞれの方々へのご意見もお待ちしています。

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