読者の声 : 99.8.22号 (4/6)

励ましや、おしかりの言葉、ありがとうございます。

他の読者の方々の中にも、同じご意見を持った方がいらっしゃるかも知れません。自分の考えをまとめるための参考になる場合もあります。だから、「読者の声」は大事にしたいと考えています。
原則として、原文を掲載しています。新しい声から順番にご紹介しています。

それぞれの方々へのご意見もお待ちしています。
こちらのフォームで投稿するか、voice2@systrat.co.jp へお送り下さい。

この色は皆さんの声 (お返事付) この色は皆さんへのご意見です
この色は皆さんの声 (お返事なし)

自己を否定する勇気のしるし【セイコーとシチズン】 99.8.1 掲載


 <匿名さん> 【私自身腕時計をまったく付けません】

        「かなりおもしろい」99.8.03

今回の記事は、かなり興味深かったです。
と、いうのは私自身腕時計をまったく付けません。
たまに付けるのですが、やっぱり重たいし、お風呂の時などいちいちはずすのが面倒だし(水OKなのは高いし)と、疎遠になってしまっていたので。

ファッションで・・ということにもかなり違和感を感じてました。
私のようなビンボー人にはどんなファッションにも合う時計が欲しいし「時を刻むもの」なのにをいくつもいくつも持つことには疑問を感じます。
それに、「ファッションで着替える」なんていわれると「あれ、じゃあこの時計は今着ているこの服に合ってるのかな・・」なんて考えてしまってだったら面倒くさいから最初からつけなきゃいいやって思ってしまうのです。

なので「そうそう!」って共感できました。
私のような面倒くさがりのビンボー人でも携帯ができる時計があればな、なんて思う今日この頃です。

 <匿名さん> 【保守的・プロダクトアウト型・技術者エゴの反省材料】

        「ややおもしろい」99.8.03

あるメーカに勤めています。(時計メーカではない!)

本文を読んで感じたのは、CS(顧客満足)をいかに日常的な仕事の中へ取り込み、市場の視点から商品を生み出す努力が必要かということです。

メーカも裏を返せば消費者であり、日常的な製品に対しては、消費者として評価・判断しているのに、なぜ自社製品へ消費者としての見方・考え方が出来なのか?いつも悩むところです。

このケースではメーカとしての姿勢を言われていますが、私自身としては保守的・プロダクトアウト型・技術者エゴの反省材料として参考になりました。

 <ひでおさん> 【不完全燃焼でした】

        「ややおもしろい」99.8.02

はじめまして、「ひでお」と申します。前回から購読を始めたのですが、今回までの間に、今までの文章をも読ませていただき、話のおもしろさと分析の際の目の付け所に感銘を受けました。
私自身コンサルタントに転職してみたいとの希望を持っており、この配信の日が待ち遠しいです。

 さて、今回の文章について、思ったことを長々と述べさせていただきます。(お忙しい方に長いメールは恐縮なのですが)
 今回、「やや」と一つランクを下げさせていただきました。(従来読んだものは、ほぼ全て、かなりおもしろいでした。)その理由は、

1 私自身が「時計」に関心の無い層であった。

2 1の理由のため、時計業界が一般的に「優秀と見られている」との前提に共感できなかった。
(セイコーやシチズンなんて、ださい企業の代表のイメージでした。)

3 よって、途中のアクセサリーとの比較について、正しいアプローチなのかどうか判断ができなかった。

 ことにより、あまり興味深く読めなかったことにあると思います。

特に、2,3の理由とかかわるのですが、今回、気になったのは、今まで、日立だろうがセガだろうがJTだろうが、「こうすれば良い」という方向性が見えていたのに対し、今回は、「アクセサリーとしては難しい」「そもそも時計は邪魔な存在」と突き放してしまっているようにみえたからです。
邪魔な存在→見栄えに走る→アクセサリーとしては限界、としたら身も蓋もないじゃないですか?
これを解決する秘策はシチズンをクライアントとするときに取っておいてあるんですか!?

 今回の話は、私自身、時計業界興味ないと思っていたところに、時計業界将来なし、と言われてしまったようで、その点が不完全燃焼でした。

 最後に私が腕時計をしないことにより感じたことを蛇足ながら付け加えさせていただきますので、お暇な時(きっと来ないのでしょうが)に読んでいただければ幸いです。
 今後とも、楽しみにしております。本業でお忙しいとは思いますが、メールマガジンの方も宜しくお願いいたします。

 私は、腕時計はほとんどしません。その理由は、付け心地が悪いということにつきます。(その意味で森さんの提案は鋭いと思います) しかし、それでも2,3年前までは我慢して付けるか、懐中時計(ポケットにいれておけるから)を持ち歩いていました。しかし、携帯電話の存在により、まさに「時を知る」ための時計は持ち歩く必要がなくなりました。うれしい限りです。今度は逆に、腕時計を付けている人は、なぜ付けているのか、という疑問が生じました。

 一つは、素早く時計を確認するためでしょう。これには、「人知れず」という要素も含まれています。私自身は、よくアポイント中に、次のアポイントが気になり、如何に人知れず時間を確認するかで苦労することがあります。そんなとき、腕時計があれば、さりげなく、素早く時間をチェックできます。(そんなことがあるなら持ち歩け、と言われそうですが、それでも、付け心地の悪さが気になるんです・・・)

 二つ目は、広義のおしゃれ感覚でしょう。これは、単に格好いい時計をするということだけでなく、「時計をするのは、社会人、大人として当然の身だしなみである」という感覚も含んでいます。これがあるからこそ、森さんもアナログの時計を持たざるを得なかったんだと思います。

 私は、時計産業は、まさにこの後者の需要を喚起していかなければ道はないと思います。すなわち、リクルートスーツとセットの時計とか、ジーンズに合う時計とか・・・。

 ただこの考え方は、20年前に提示されたものであり、時計をアクセサリーとするには、大きなハンデがあるという話ですよね。とすると、時計産業の将来はかなり暗いのではないでしょうか?

 ただ、時計を付けていることに対して、「習慣、常識」ということを越えて考えている人ってどの程度いるんでしょうか?? (森さんを見習って周りの人に聞いてみたいと思います。→最近、行動力の低下が目立つので・・・)

 それでは、また。


【お返事】

>話のおもしろさと分析の際の目の付け所に感銘を受けました。

お褒めの言葉、ありがとうございます。
私の頑張りの源です。

>1 私自身が「時計」に関心の無い層であった。

そうなんです。
私の文章力や企画構成力の問題もあると思いますが、こういった具体的な話を中心としたメールマガジンはどうしても読者の関心事によって、評価が左右されるという限界があります。
ですから、できるだけ、汎用的に応用できる情報を散りばめて、興味のない事例でも自分の好きな業界に応用できるように工夫しているつもりです。

> 今回、気になったのは、今まで、日立だろうがセガだろうがJTだろうが、
>「こうすれば良い」という方向性が見えていたのに対し、今回は、「アクセサ
>リーとしては難しい」「そもそも時計は邪魔な存在」と突き放してしまってい
>るようにみえたからです。

ご、ごめんなさい。
そういうつもりはなかったのですが。
というのも、「自己を否定する勇気」というのが最終的に重要なポイントだったので、「そもそも時計は邪魔な存在」と冷たく認識するところから全てが始まるのですよ、ということを言いたかったからなんです。
「冷たい認識と熱い対応」は私のマーケティング業務での好きなことばですが、まさにその前半がテーマなのでそう見えてしまったのかも知れません。

>これを解決する秘策はシチズンをクライアントとするときに取っておいてある
>んですか!?

それは・・当たりです (笑)
いや、JT も日立もみんなそうですけど (笑)
------------------------
>今度は逆に、腕時計を付けて
>いる人は、なぜ付けているのか、という疑問が生じました。

大変、素晴らしい問題意識です。
以下の指摘は十分に時計のベネフィットのあり方を探っているレポートになっています。

> 一つは、素早く時計を確認するためでしょう。

はい。大きなニーズの一つですね。

>(そんなことがあるなら持ち歩け、と言われそうですが、それでも、付け心地
>の悪さが気になるんです・・・)

ひでおさんの場合は、「付け心地の悪さ > 苦労する」という図式ですから、これはこれで十分に価値のバランスが取れています。

> 二つ目は、広義のおしゃれ感覚でしょう。

これも同感です。
「マナー」と言い換えても良いかもしれません。

> ただこの考え方は、20年前に提示されたものであり、時計をアクセサリー
>とするには、大きなハンデがあるという話ですよね。とすると、時計産業の将
>来はかなり暗いのではないでしょうか?

はい。普通のやり方を普通に発想していたのでは、かなりしんどいのは事実です。
そういう意味では、他産業にはあまり見られない高度なマーケティングが必要だということにもなります。

> ただ、時計を付けていることに対して、「習慣、常識」ということを越えて
>考えている人ってどの程度いるんでしょうか?? (森さんを見習って周りの
>人に聞いてみたいと思います。→最近、行動力の低下が目立つので・・・)

インタビューの結果を是非教えて下さい。
私も興味があります。


【ひでおさんからのお返事】

みなさん、そう言っているようですが、本当に早く返ってくるとびっくりします!!
 私からの返信が遅れたのは、「時計の保持に関する意識調査(仮題)?」をする時間を探していたのですが、森さんの前ではおそれ多いのですが、ちょっぴり忙しくて出来ませんでした。
 私は通常、調べたいことがある時には、自分の大学時代の友人で作っているメーリングリストを使うのですが、私の友人は、理屈っぽい奴が多いので、文字で送ると、通常考えてもいないくせに、無理矢理理屈をこねそうなので、やめました。。 やっぱりこの調査は、軽くメシでも食いながら、「いい時計じゃん」とか、「あれ、何で時計してないの?」と切り出さないと本心が見えないようなで時間がかかりそうです。

 ところで、表題の返信の速さについてですが、私が思うに、これも読者を引きつける&オフ会への驚異的な率の参加者を引きつける!?魅力の一つなのではないでしょうか。(なんていうと、プレッシャーをかけることになったりして・・・)

 先般のVTRクレームを巡る東芝事件にあったように、ホームページを開設したり、メールマガジンを開設すると、一躍、情報発信者になれます。私の感覚はまだ遅れている(一般人なみ、と思いたい)ので、情報発信者=偉い人=アイドル的存在!!に、つい思えてしまいます(これは恐ろしいことだと個人的には思っています)。きっと森さんはお会いしてもそういうことを感じさせる雰囲気を持っていそうですが、私にとっては、今回の返信はアイドルからファンレターの返事が返ってきたような気持ちでおります。(うーん、ファンレターの返事に返事を返してよいのだろうか?) 

 他の方は、森さんとの関係をどのように感じていらっしゃるのでしょうか? 読者の声を読ませていただくと、「十年来の知己」のように話していらっしゃる方から、「先生と生徒」のように感じている人まで様々ですよね。 返事を頂き、読者の声を読みながら、そんなことを考えてしまいました。

 このメール送ったら、もう少し仕事をしてから返ります。人にはこういう仕事だからこそ(通産省の木っ端役人です・・・読者の声で使われる時は公務員程度にしてくださるとありがたいです。)、コストを考えなければいけないとか偉そうなことを言いつつ、とても、年収*3どころか、年収*1の仕事もしていないなあ(残業代は付かないからコスト増要因ではないけど、タクシー代とか光熱費(クーラーは既に止まっていますが・・・)の分はコスト増ですよね。)と反省をする毎日です。
 それでは、引き続き、楽しいメールマガジンを期待しております。


【お返事】

> みなさん、そう言っているようですが、本当に早く返ってくるとびっくり
>します!!

ありがとうございます。
私がそういうメールをもらうと嬉しいので、それをそのまま実行しているだけなんです。

> 私からの返信が遅れたのは、「時計の保持に関する意識調査(仮題)?」を
>する時間を探していたのですが、森さんの前ではおそれ多いのですが、ちょっ
>ぴり忙しくて出来ませんでした。

ひでおさんはひでおさんのペースでどうぞ。
第一、「そういうことを調べようかな」という問題意識があれば、どんな些細なことでも頭に引っかかるものです。
定型化して調べることのメリットもありますが、断片的な情報を後でまとめて分析することのメリットも大いにあります。要は使い分けでしょうか。

>やっぱりこの調査は、軽くメシでも食いながら、「いい時計じゃん」
>とか、「あれ、何で時計してないの?」と切り出さないと本心が見えないよう
>なで時間がかかりそうです。

そうそう。そんな感じでいいと思います。
私も本業のプロジェクト開始の時点では(特に始めておつきあいするクライアントは)そんな感じで普段から拾っている情報を元に、仮説を立てて、ブレスト等を通じて企画書に落とすという作業をします。その企画書に立脚して始めてきちんとした定量データを集めるわけです。
-------------------
> ところで、表題の返信の速さについてですが、私が思うに、これも読者を引
>きつける&オフ会への驚異的な率の参加者を引きつける!?魅力の一つなので
>はないでしょうか。

どうもそうだと私も気がついたのは、「メールマガジングランプリ」で受賞したときの読者の方々のコメントに、「素早い返事も魅力」という記述が多かったことでした。
パソコン通信時代からメールに親しんでいるので、あまり気がつかなかった視点でした。
そう考えれば、パソコン通信は「クローズド」、インターネットは「オープン」という性格の違いがあるので、メールの性質も変わっていたんでしょうね。
それを、私だけが気がつかずにいた訳です (笑)

>(なんていうと、プレッシャーをかけることになったりして・・・)

ははは。目一杯、かけられています (笑)

>私の感覚は
>まだ遅れている(一般人なみ、と思いたい)ので、情報発信者=偉い人=アイ
>ドル的存在!!に、つい思えてしまいます(これは恐ろしいことだと個人的
>には思っています)。

いえ、一般的な感覚です (笑)
これは何でもそうですが、「数が少ない = 貴重 = もてはやされる」という傾向が強く出ます(黒人問題のように逆のケースも一定条件下では発生しますが)。心理学でいうところの「少人数比の効果」で、理科系の学部で女子学生がもてるのと同じです。
だ、インターネットの世界で、女性が作った HP というだけでもてはやされていたのが、女性の進出が増えたので、それだけでは話題にならないのと同じで、十二分に自戒しなければならないことだ思っています。

>きっと森さんはお会いしてもそういうことを感じさせる雰囲気
>を持っていそうですが、

私は一匹狼だったので、カリスマ性がある人が羨ましいです。

>(うーん、ファンレターの返事に返事を返してよいのだろうか?) 

どうぞ、どうぞ (笑)
歓迎 (^^)v

> 他の方は、森さんとの関係をどのように感じていらっしゃるのでしょうか? 

確かに人さまざまですね。
いろんなスタンスの方々がいるからおもしろいし、妙な傾向で固まらるのではないので、良いことだと思っています。
ある方にこう言われました。

「HP でもメールマガジンでも、「教祖と信者」のような関係になりがちで、そうなるとつまらなくなる。「私はこう見る」ではそれはなさそうだから、とりあえず安心だ」

肝に銘じています。

 <橋口さん> 【言われてみればその通り】

        「ややおもしろい」99.8.02

「私はこう見る」マガジン会員に登録して初めての配信、楽しく拝見させていただきました。

"セイコーやシチズンは「つまんない企業」"、言われてみればその通りと思いました。
確かに知名度は高く、安心・信頼性はありますが、ホンダやソニーといった強烈な個性やポリシーが感じられません。なぜでしょう?根底にあるのは、企業風土の問題か、トップマネジメントの問題か?(確かセイコーは同族経営だったと思います…)

実際、セイコーやシチズンのHPにアクセスしてみましたが、セイコーはまだ、時に関するアンケート結果を紹介しているので、そこそこでしたが、シチズンは全く「つまんない」内容でした。また、渋谷の西部ロフトの腕時計コーナーでは、セイコーはボルケーノ・シリーズ等斬新なデザインのものが陳列されていましたが、シチズンの陳列品はデザイン的にはあまり斬新さが感じられなかったです。

さて、今回の題材の「腕時計」について、腕時計の本質は「時を教えてくれる携帯性のモノ」といえると思います。現代社会においては、時を知らずに生活することは非常に不便ですので、「時を教えてくれる」という機能は不可欠なものです。一方、アクセサリーとは「(帰属集団における)自分のセンスを表現するための小道具」と思いますので、センスに対する認識のレベル次第で、自己表現の手段としてのアクセサリーを重視する層から全く必要のない層まで分かれます。そこに、アクセサリーとしての腕時計の限界が発生します。本文中でも指摘されている通り、デザインを重視しすぎると「時を告げる機能」が犠牲になる、その機能を担保しようとするとデザインが野暮ったくなる。つまり、アクセサリーとして成功させようとするならば、デザインを重視して、時計で無いものを作る、といった自己矛盾に陥ります。これでは、どうあがいても成功しませんね(笑)。

ただ、セイコーの「なぜ、時計も着替えないの」キャンペーンでは、アクセサリーとして時計をリ・ポジショニングした(=あなたの身につけている時計で、あなたのセンス分かります)というよりは、T.P.O.に合わせて時計も使い分けたら?というレベルの提案だったのでは?と思います。ただ、T.P.O.に合わす、といっても「具体的な提案をして、自社の優位な方向に市場を開拓する」といった努力を怠っていたのは、セイコー・シチズンのマーケティング力の弱さだと思います。

さらに深刻なのは、腕時計の本質が「時を教えてくれる携帯性のモノ」にある以上、このままでは腕時計市場の縮小も十分ありえます。例えば携帯電話。街中を歩いていると腕時計をしてない人も多く見れれます。夏、という時期もあるかも知れませんが2〜3割はいるでしょう。実際、今何時?と聞くとバッグから腕時計を出して確認する人と携帯電話で確認する人が約半分(N=6)。シチズンの売上状況では、完成品(腕時計)のダウン分を携帯端末でのコンポーネントの需要増でカバーしているようです(ちなみに、ポケットボードはシチズンが製造)。この傾向は、今後も強くなっていくと思います。

なら、どうする?
あくまで、腕時計にこだわるなら、クルマの基本機能であげていたように、腕時計の基本機能に「自己の表現(センスの表現でなく、そのヒトの社会的な面、価値観、性格がわかる)」を演出する機能を付加し、腕時計の価値を高めることでしょうね。幸い、いわゆる高級ブランド品やロレックスは、生活者の視点から見ると明確に価値の表現ができていず、強いてあげれば対抗馬はTAG HEUERぐらいか。もちろんこれはブランド戦略の分野になりますので、セイコー・シチズンはよっぽど本腰を入れて取組まないと、的外れな結果になってしまう可能性も高いですね。そこに森さんの活躍のチャンスがあるのでしょうが…(笑)

更なる方向は、「携帯できる」と「時を告げる」機能を徹底的につきつめた腕時計を超越した携帯時計の開発ですね。今はまだ想像もつきませんが、ウォークマンの開発部隊のように開発サイドに狂信的な情熱があれば、そのようなモノもできるかも知れません。楽しみです。



【お返事】

>確かに知名度は高く、安心・信頼性はありますが、ホンダやソニーといった強
>烈な個性やポリシーが感じられません。なぜでしょう?根底にあるのは、企業
>風土の問題か、トップマネジメントの問題か?(確かセイコーは同族経営だっ
>たと思います…)

トップ経験というのがまず頭に浮かびます。
ホンダもソニーもトップ企業になった経験がありません。
いや、ソニーは例えばヘッドホンステレオではトップですが、家電業界となると、下位メーカーです。
人間でも企業でも、トップを取った後にテンションを維持するのって、大変なことですよね。

>また、渋谷の西部ロフトの腕時計コーナーでは、
>セイコーはボルケーノ・シリーズ等斬新なデザインのものが陳列されていました
>が、シチズンの陳列品はデザイン的にはあまり斬新さが感じられなかったです。

現場をすぐにチェックするのは素晴らしいです。
メーカー出身のコンサルタントですから、私も「迷ったら、現場に答えがある」という信条です。

>ただ、セイコーの「なぜ、時計も着替えないの」キャンペーンでは、アクセサ
>リーとして時計をリ・ポジショニングした(=あなたの身につけている時計で、
>あなたのセンス分かります)というよりは、T.P.O.に合わせて時計も使い分け
>たら?というレベルの提案だったのでは?と思います。

確かに、TPO に合わせるとリポジショニングはちょっと混同しやすいので、説明します。
ファッションのように、元々、色々な種類のものを持っていて、その消費状態を変えずにいられる場合は「TPO に合わせただけ」と言えます。
一方、今回の時計の場合は、「1個だけ持っていれば良い」という状態からの変化があるわけです。
例えば、商品の選択基準、来店頻度、心理的ベネフィット等々、生活者の行動そのものに構造的な変化があります。そうなると、「TPO に合わせただけ」という表層的な捉え方では不足します。だって、企業自体がそれに根本的に対応しなければならないからです。

>さらに深刻なのは、腕時計の本質が「時を教えてくれる携帯性のモノ」にある以
>上、このままでは腕時計市場の縮小も十分ありえます。

ご明察です。
ご指摘のように既にその芽は現実化しています。

>実際、今何時?と聞くとバッグから腕時
>計を出して確認する人と携帯電話で確認する人が約半分(N=6)

素晴らしい行動力です。
ここでは N 数の問題はどうでもいいんです。
実際に他の方々の行動を観察することが非常に重要です。

>もちろんこれはブランド戦略の分野になりますので、セイコー・シチズンは
>よっぽど本腰を入れて取組まないと、的外れな結果になってしまう可能性も高い
>ですね。

はい。
正に、両社に欠けているのはコーポレートブランドを含めたブランド戦略とその実行施策です。あれだけの規模と歴史を持った企業ですから、簡単には変われないでしょうが。

>そこに森さんの活躍のチャンスがあるのでしょうが…(笑)

これもご明察 (笑)

>更なる方向は、「携帯できる」と「時を告げる」機能を徹底的につきつめた腕時
>計を超越した携帯時計の開発ですね。今はまだ想像もつきませんが、ウォークマ
>ンの開発部隊のように開発サイドに狂信的な情熱があれば、そのようなモノもで
>きるかも知れません。楽しみです。

企業の力としては、両社ともそれだけの力があるので、「化ける」ことは可能です。
後は企業文化だけかしら。


【橋口さんからのお返事】

>現場をすぐにチェックするのは素晴らしいです。
>メーカー出身のコンサルタントですから、私も「迷ったら、現場に答えが
>ある」という信条です。

今月は時間的に余裕があるので、マーケットチェックと称して渋谷に繰り出してみました(笑)

同じ日に、東急ハンズ1Fの腕時計売場も見ましたが、LOFTの売場に比べ全く「つまんない」売場でした。
ほとんど似たようなデザインの腕時計しか売っていない売場です。そのためか、従来型のセイコー・シチズンの腕時計の占有面積は約4分の1は占めていました(笑)

まあ、ハンズという店のコンセプトと完成品の腕時計という商材にギャップがあるためでしょうか、売場に意図や主張を感じられませんでした。

>確かに、TPO に合わせるとリポジショニングはちょっと混同しやすいので、
>説明します。
>ファッションのように、元々、色々な種類のものを持っていて、その消費
>状態を変えずにいられる場合は「TPO に合わせただけ」と言えます。
>一方、今回の時計の場合は、「1個だけ持っていれば良い」という状態から
>の変化があるわけです。
>例えば、商品の選択基準、来店頻度、心理的ベネフィット等々、生活者の行動
>そのものに構造的な変化があります。そうなると、「TPO に合わせただけ」
>という表層的な捉え方では不足します。だって、企業自体がそれに根本的に
>対応しなければならないからです。

【TPO に合わせた…】着用・使用シーンを替えるだけで、消費行動自体には変化が無い
【リ・ポジショニング】心理面も含め、生活者の行動そのものに構造的な変化を与える…

なるほど、また一つ勉強となりました。

今後も、実際に現場を見て実際の行動を観察しながら、肌で感じた感覚と頭で考えたことをマッチングさせていきたいと思います。
-----------------------------------
ハンズの腕時計売場において、本文でとりあげていたeuropawatch等と提携して、「世界に1つしかない自分だけの腕時計を作りませんか」といった提案があった方がハンズらしいと思います。少なくとも、今の売場よりはハンズらしさがありますし、売上(仲介料?)も伸びそうな気がします。

ご存知かも知れませんが、オリジナルのモノがつくれる事例としてTシャツ・ギャラクシーのTシャツがあります。
URLはhttp://www.t-galaxy.comです。今週のT-モデルとして女性の写真も掲載されているので、見るだけでも楽しいHPです。お時間があれば覗いて見てください。

こういった分野では、コンピュータ・グラフィックスによる注文服の注文システムも登場してきているようですので、題材として取り上げるのも面白いかも知れませんね。ただし、インターネット上での注文がメインになって来ると思いますので、森さんのメルマガの範疇からははずれるかも知れませんが…


【お返事】

>まあ、ハンズという店のコンセプトと完成品の腕時計という商材にギャップがあ
>るためでしょうか、売場に意図や主張を感じられませんでした。

そうなんです。
「あのハンズですら」そうなのですから、時計は売場としてどうにもならないくらい、退屈な場になってしまっています。

>今後も、実際に現場を見て実際の行動を観察しながら、肌で感じた感覚と頭で考
>えたことをマッチングさせていきたいと思います。

是非頑張って下さい。
応援します。

>本文でとりあげていたeuropawatch等と提携して、「世界に1つしか
>ない自分だけの腕時計を作りませんか」といった提案があった方がハ
>ンズらしいと思います。

まったく同感です。
彼(友人)にも、「日本にハンズというのがあってね・・・」という話をしたことがあります。実は彼は日本に住んでいたことがあり、ハンズのことは知っていました。
「で、お前、やんない?」と言われそうなので、あまり突っ込んでいません (笑)

>URLはhttp://www.t-galaxy.comです。今週のT-モデルとして女性
>の写真も掲載されているので、見るだけでも楽しいHPです。お時間
>があれば覗いて見てください。

これは楽しいですね。始めて知りました。ありがとうございました。
こういうわくわく感のようなものが本当に欲しいです。
セイコーやシチズンは昔はこういうものがあったのですが。

>ただし、インターネット上で
>の注文がメインになって来ると思いますので、森さんのメルマガの
>範疇からははずれるかも知れませんが…

インターネットの普及率がもっと高まって、例えば40%くらいになれば、十分に私のメールマガジンの範疇に入ります。単に規模の問題だけです。

それぞれの方々へのご意見もお待ちしています。

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