readers' voice

励ましや、おしかりの言葉、ありがとうございます。

他の読者の方々の中にも、同じご意見を持った方がいらっしゃるかも知れません。自分の考えをまとめるための参考になる場合もあります。だから、「読者の声」は大事にしたいと考えています。
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この色は皆さんの声 (お返事付) この色は皆さんへのご意見です
この色は皆さんの声 (お返事なし)

「自分探し」コンセプトで夢をつかんだ【英会話CtheD】
  (99.1.15)掲載【その2】

 <匿名さん> 【精神的援助交際と英会話ビジネスの関連】

        「かなりおもしろい」99.1.20

SPA!の精神的援助交際と、英会話ビジネスのコンセプトとを関連付けて述べられている視点に感嘆しました。たまたま、マーケティング理論・調査手法を直前に読んでいたので、プロダクト・コーンの説明もすんなりと受け入れられました。始めに、一読するようにアドバイスコメントを付けられては如何でしょうか。

【河瀬注】プロダクト・コーンのURLです

http://www.systrat.co.jp/theory/theory01.html

 <Ayakoさん> 【20代男性も捨てたものではない】

        「かなりおもしろい」99.1.18

学生の頃、

「将来は海外に住んでみたい。そのためには、とりあえず英語だ!」

と思い立ち、いろいろな英会話スクールに問い合わせたり、見学に行ったりしましたが、どれも同じように見えて、どこにしようかとかなり迷った覚えがあります。
結局は、値段、立地、自由予約制でNOVAを選びました。

4年半NOVAで勉強して思ったことは、

「結局本人が金も時間もかけてマジメにやらない限り、上達しない。」

まあ、当たり前ですけどね。
広告を見ていると、いとも簡単に、しかも楽しく英会話をものにできるようなイメージを受けます。
「楽しい」というのは、私から見るとその通りで、しまいには暇さえあればNOVAに入り浸るようになってしまいました。
おかげで(?)、念願かなって海外での仕事を手に入れたわけです。

でも、こんなご時勢では「楽しい駅前留学」のためだけに何十万も払ってみようと思う人なんて、そうそういないでしょう。
しかも、一時期のブームで英会話スクールに通ってみたものの、すぐ飽きて、やめてしまい、「つまんないし、全然上達しない」とか言っている人が、誰でもまわりに1人くらいはいるでしょうね。

英語を使う必要にせまられていたり、留学などの目標があるような人はとっくにどこかのスクールに通うなり、自分で勉強しているでしょう。

そこで「若い女性→自分探し」という発想にたどり着いたのはスゴイと思いました。

言われてみれば、確かに、ここ数年「自分探し」大ブームですね。
でも「精神的援助交際」は、存在すら知りませんでした。(同年代なのに!)
私個人としては、「重い」話題について意見交換をするのが好きで、朝までお酒を飲みながら、いろいろと議論できる貴重な友人も何人かいます。全部同年代の男性です。
20代男性も捨てたものではないと思うのですが。
(逆に相手が年上の男性だと、「おまえはまだ世間ってものが分かっていない!」と言われて終りです。)

ところで、記事を読んでいると、「自分探し」をするのは主に若い女性という印象を受けますが、一般的な若い男性はどうなんでしょうか?私のまわりでは、「当分モラトリアムでいいじゃない。今はいろいろなことをやって、落ち着くのは自分のやりたいことが見つかってからにしよう。」という人が多数派です。

それにしても、「なりたい自分とはどんな自分か」が分からないのに、「なりたい自分になれ」と言われると人は反応してしまうものなんですね。


【お返事】

>今回の記事は、私が英会話スクールに通っていたこと、
>20代独身女性であることからも、大変興味深かったです。

そういう経験があると、身近に読めますね。
実は、今回の記事はテーマが身近でなかったせいで、読者の方の反応が今一つでした。
が、一方で、Ayakoさんのような経験のある方々は思い当たる節があるようで、いつもどおりのコメントを頂いているんです。

>「楽しい」というのは、私から見るとその通りで、しまいには
>暇さえあればNOVAに入り浸るようになってしまいました。
>おかげで(?)、念願かなって海外での仕事を手に入れたわけです。

実は、これが英語上達の一番の近道のような気がします。
楽しければ、努力は努力と感じないで済みますものね。
その典型が、私のような海外在住で英語が話せるようになった人たちだと思います。
その観点から見ると、今の英会話スクールの「楽しさ」という方向性は、確実に正解だと思います。

>そこで「若い女性→自分探し」という発想にたどり着いたのはスゴイと思いました。

同感です。
今までの英会話スクールのマーケティングで、ある程度顕在化したニーズは堀りつくしてしまったわけです。もちろん、学生のような若い方は毎年出現するわけですが、出生率などの低下によって、自然増や顕在層の刈り取りだけでは市場が成長しなくなってしまったわけです。
だから、今まで敬遠してきた層をどう取り込むか、という視点が必要になった、と思います。

ただ、この発想は NOVA のような大手の場合で、CtheDのような小さいところは、差別化と言う観点での戦略です。いずれにも使えるコンセプトというのはそうそう出てきません。このコンセプトの凄いところは、オールマイティな性質を持っているという点でもあると思っています。

>私個人としては、「重い」話題について意見交換をするのが好きで、
>朝までお酒を飲みながら、いろいろと議論できる貴重な友人も
>何人かいます。全部同年代の男性です。

大事ですね、そういう友人って。
私の時代では「下宿談義」と呼んでいますが、そういった経験を積むか積まないかで、人間形成の方向が変わっていくような気がします。どちらがいいとか悪いとか言うのではありませんが。

>20代男性も捨てたものではないと思うのですが。

もちろん、そういう男性も存在します。
セックスレスカップルにしても、精神的援助交際にしても、それらの経験者は多いわけではありません。ただ、極めて象徴的なものであり、未経験者でも「タネ」を持っている、という「いつ爆発してもおかしくない状態」ということで記事に上げたものです。
ただ、そんな男性も数は多くありません。Ayakoさんはラッキーな方 (ラッキーも実力のうちですが) だと思って良いのでしょう。

>私のまわりでは、「当分モラトリアムでいいじゃない。
>今はいろいろなことをやって、落ち着くのは
>自分のやりたいことが見つかってからにしよう。」という人が多数派です。

それは、むしろ、読者の中の若い男性にお伺いしたい部分がありますが、モラトリアム派は全体的に多い傾向にあります。逆に言えば、「自分探し」であせり気味の同年代の女性とは水と油のような考え方なので、すれ違いや問題が発生してしまう、と考えた方が良いのでしょう。

>それにしても、「なりたい自分とはどんな自分か」が分からないのに、
>「なりたい自分になれ」と言われると人は反応してしまうものなんですね。

あのコピーは「私を変えるプログラム」も効果が大きいです。
何かが変わると自分が変わる、という発想を持った人たちにはかなりインパクトのあるコピーですもの。

 <匿名さん> 【市場性はどうでしょうか?】

        「かなりおもしろい」99.1.18

毎回森さんの人間観察と観察手法に深く感銘を受けています。ちなみに、このメール1通からでも、私という人間を観察されているのかしら。(どういう人間が、どのような文章に、どのように反応したかというのは、好奇心がそそられますからね。)

英会話学校の件、楽しく読ませていただきました。
その昔、ご縁があって某日本企業に買収された「本格スクール」と千葉で3教室展開する「小規模スクール」の間接的お仕事をした経験もあって分、余計楽しかったのかもしれません。

いきなり脇道ですが、当時その「本格スクール」に通っていた個人層は、まさに規格中の規格(正確で、上品な英語)に惹かれてきていた方が、圧倒的に多かったと思います。
ブランドみたいなものが出来上がっていたので、差別化はそれなりにできていたのですが、その規格に対して他よりも相対的に高い受講料を払ってくれる個人がそれほど多くなく、郊外教室はかなりの苦戦を強いられました。
DCCMのMがだめだったのかしら。

さて本論?ですが、「小規模スクール」に通っていた個人層の一部に、今振り返ってみれば「あっ、あの人たちが自分探しの人たちかな」と思えるような方々がいました。
「英語をしゃべる」こと自体がその人の生活というか、人生の主要な部分になっているような感じで、また多くの方は(短期)留学を計画していたと思います。具体的に何か目的があって、その手段として英語が必要という感じでもなく、ただ英語がしゃべれるとうれしいという感じでした。このうれしいという感覚が、森さんのおっしゃる内的充実なんですかね?

5年くらい前の話なんですが、留学までしてしまう彼女たちは森さんのおっしゃる「積極派」なのかな?
彼女たちのその後に興味はありますが、調べる術もなし(笑)

さて、ところで「自分探し、受動派」の英会話学校って、市場性はどうでしょうか?確かに受動派は多数組かもしれませんが、自分探し=英会話につながる人は意外と少なく、この切り口で集まる女性生徒だけでは店舗数も今以上に増えていかないと直感的に思いますが、森さんはいかがお考えですか?
それとも今の英会話市場というのは、そんなにOLのシェアが大きいのでしょうか?最近全く英会話学校に行っていないので、感覚がぼけているかもしれませんね。(今週にも、見学の振りして近くの英会話学校に行ってみます)

ぐっと寒くなってきました。森さんも、大きな風邪を二度もひきませんように。
それでは。

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森さん、こんにちは。先日読者アンケートを送信させていただいた匿名です。前回の続きです。

>それとも今の英会話市場というのは、そんなにOLのシェアが大きいのでしょうか?
>最近全く英会話学校に行っていないので、感覚がぼけているかもしれませんね。
>(今週にも、見学の振りして近くの英会話学校に行ってみます)

某郊外都市の英会話学校(ジオスとイーオン)に行って来ました。そして受付のお兄さんやお姉さんと世間話をしてきました。

驚きました。夜の7時前後に行ったのですが、OLや女子大生(っぽい)方がたくさんですね。その時間帯の6割から7割は彼女たちではないでしょうか?もちろんもう少し早い時間帯に行くと違うのでしょうが、こんなにOLが多いとは驚きでした。

受付の方いわく、やはりOLや女子大生の比率が高く、感覚的には生徒の半分は彼女たちということ。他の教室ではもっと高いとのこと。

で、彼女たちは何か具体的な目的があって学校にきているのか?と質問してみると、「具体的というか、海外旅行に行ったときに困らない程度に英語をしゃべりたいとか、そんな感じかな」「しゃべれれないよりしゃべるほうがいいというこで、とりあえずお稽古ごととしてきているんじゃないですか」「外人の先生と話すだけでも楽しいんじゃないですか」とのこと。

内的充実に絡むような話は出てきませんでしたが、OLの一部はきっと森さんのおっしゃるような動機がきっかけとなって、数ある手段の一つとして英会話を選択しているに違いないと直感的に感じました。しかも結構数も大きそうだと。
という訳で、前回のメールの後半部分は撤回です。(市場性がないのではという意見)

しかし、森さんがおっしゃるような他力本願思考型の「自分探し」の行く末ってどうなるのでしょうか?いつまでたっても、狭いフィールドでぐるぐる回っている感じで、終わりのないロールプレイングゲームみたい。そのうち、修練が重なって違う段階に進むのかしら。

ま、英会話学校としては終わりのないロールプレイングゲームの方が、更新、更新でうれしいけれど。(何年もやっているOLさんも結構いるらしいですね)

ということで、とりとめのない文章になりましたが、次回のお話を楽しみにしております。


【お返事】

>ちなみに、このメール
>1通からでも、私という人間を観察されているのかしら。

ある程度はやってしまいます。職業病のようなものです (笑)

>する「小規模スクール」の間接的お仕事をした経験もあって分、余計楽しかったのか
>もしれません。

そういうご経験があれば、身近に感じますよね。
「本格スクール」がどこか、というのは想像が十二分につきますが (笑)

>すが、その規格に対して他よりも相対的に高い受講料を払ってくれる個人がそれほど
>多くなく、郊外教室はかなりの苦戦を強いられました。
>DCCMのMがだめだったのかしら。

ご指摘のとおり、あそこは、個人を相手にしていては市場性がない分つらい戦いになります。中身は非常によいという評判を生徒経験者、先生経験者から聞いたことがありますので、質は高いのでしょうが。
従って、どちらかというと、ロレックスのようなピンポイントのマーケティングをしないと、時流がそうなっていないので (スパルタ?)、需要をすくい切れません。また、法人需要が大事なのに、昨今の不況で離れていったのもつらいところでした。

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>「英語をしゃべる」こと自体がその人の生活というか、人生の主要な部分になってい
>るような感じで、また多くの方は(短期)留学を計画していたと思います。

この方達は「自分探し」の一部ではありますが、そこまでマニアックではないです。もっと広く受け取っていただいて良いと思います。

>このうれしいという感覚が、森さんのおっしゃ
>る内的充実なんですかね?

ご明察です。

>5年くらい前の話なんですが、留学までしてしまう彼女たちは森さんのおっしゃる
>「積極派」なのかな?
>彼女たちのその後に興味はありますが、調べる術もなし(笑)

「私はこう見る」読者の池上みどりさんは、その代表的なお一人です。

http://www.systrat.co.jp/gimmie/voice/voice981003.html

の真ん中辺りに池上さんからのお便りを掲載しています。ご参考まで。
ちなみに、池上さんはお会いしたことはありませんが、しっかりした方です。会社を設立してもきちんとやっていけるでしょう。

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>驚きました。夜の7時前後に行ったのですが、OLや女子大生(っぽい)方がたくさん
>ですね。

でしょ? (笑)
「現場が答えを出してくれる」というのはメーカー出身コンサルタントとしての私の信条ですが、今回も当てはまったようです。

>内的充実に絡むような話は出てきませんでしたが、OLの一部はきっと森さんのおっ
>しゃるような動機がきっかけとなって、数ある手段の一つとして英会話を選択してい
>るに違いないと直感的に感じました。しかも結構数も大きそうだと。

市場性はかなり大きいと私は見ています。

ただ、その方の観察は表面上のもののようです。
というのも、例えば「外人の先生と話すだけでも楽しいんじゃないですか」という観察は一見当たっているように見えます。が、英会話の授業料を考えてみてください。安いものでも50万円です。外人の先生と話す「のは」楽しいです。でも、外人と話す「だけ」で50万円は出そうとは思わないでしょう。

従って、説明を担当された方の言葉よりも別な、あるいは深い、ところに本当の理由がある、と考えた方が妥当です。
ですから、相手の方の説明に該当する学生、OL さんの一部どころか、かなりの割合の方々が「自覚症状なし」の「自分探し」あるいは「外に向かって宣言していない」「自分探し」の人々ではないか、と考えています。すると、かなりの人数になる。

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>しかし、森さんがおっしゃるような他力本願思考型の「自分探し」の行く末ってどう
>なるのでしょうか?

80%位の方達が何らかの形で収まります。
このうち、自分をつかんだ方が40%程度、残りの60%が自分を抑える (妥協する、あきらめる) ことで、一時封印してしまう。
封印は多くの場合「結婚」という形を取ります。
後者の場合、単なる封印ですから、子育てが終わった段階の40代以上から別な形で吹き出すことがあります。それがカルチャー・スクールだったり、リストラ離婚 ((c) 池内ひろ美。私の友人の奥さんです (笑)) だったりするわけです。

ただ、それなりに人生経験が豊富になった年代ですから、20代の頃とは違った方向になっていきます。
封印しきれない人たちは・・「コマダム」のように、常に自分を確認しようとする (しかも、シンボルとしてわかりやすい『外面』に頼って) 少数だけど目立つ層もあります。

そう考えると、しっかりと自分を捜す人って、80% x 40% = 32%、つまり「他力本願思考型」の1/3しかいない訳です。

 <渡辺さん> 【「英語が話せると10億人と話せる」は?】

        「ややおもしろい」99.1.18

いつもながら、鮮やかな分析、楽しく拝見いたしました。

以前、送っていただいた「ブランドの明日が見える」を読みはじめた(遅くてスイマセン ^^;)のですが、そこでも解説されているプロダクトコーン理論が、今回のMMでも活躍していますね。
ワタシも最近、この広告は規格訴求か、ベネフィット訴求かなどと楽しませてもらってます。

英会話スクールのベネフィット訴求広告がそんなに効果が上がっているというのは、解説を聞くと「さもありなん」ですね。その裏のメインターゲット層の「自分探し」症候群をきちんと視野に入れた分析は、大変興味深く読ませていただきました。

ワタシ的には、金城武がCMで「英語が話せると10億人と話せる」(ウロです^^;)というのに「今までとは違うな」と感じて、注目していたのですが、これもベネフィット訴求といえるのではないでしょうか?
だとすると、こっちの方の効果どうなのか、興味があるところです。


【お返事】

>以前、送っていただいた「ブランドの明日が見える」を読みはじめた(遅くて
>スイマセン ^^;)のですが、そこでも解説されているプロダクトコーン理論が、
>今回のMMでも活躍していますね。

この理論は使い勝手が良いので、いろんなところに使えてしまいます (笑)
メールマガジンのどの記事で使おうか、と虎視眈々と狙っていた部分もあります (笑)

>ワタシも最近、この広告は規格訴求か、ベネフィット訴求かなどと楽しませて
>もらってます。

そうやって楽しめるところもプロダクトコーン理論の良いところですよね。遊びながら勉強ができてしまう。

>ワタシ的には、金城武がCMで「英語が話せると10億人と話せる」(ウロです

ご指摘の通り、これもベネフィットです。
ただ、コンセプトの範囲が広すぎて、「なりたい自分になれ」よりは効果が薄いでしょう。
というのは、以下のような理由からです。

マズローの5段階欲求というのがあります。これは、人間の意識が成長するにつれ、以下のような5つの段階を踏む、ということを説いた心理学です。

1. 生理的欲求

 生きるために必要な動物的本能。食欲、性欲、睡眠欲など。

2. 安全の欲求

 自分を外敵から守ろうとする原始的な欲求。

 アジア諸国などで、危なそうな食べ物は食べない、などが含まれます。

3. 愛と所属の欲求

 ようするに「群れる」ことです。他人が持っているものを欲しがる、流行に遅れないよう頑張る、というのもここです。

4. 尊敬の欲求

 優越 (他人よりも良い、すごい) や差別化 (他人と違う) などの欲求です。

5. 自己実現

 自分を確認する高次な欲求。

マズローの5段階欲求は個人にも当てはまりますし、群としても当てはまります。日本人の価値観を戦後から追っていくとわかると思います。
また、個人差や時代差もあります。「4. 尊敬の欲求」で人生が止まり、クラブのおねえさん相手にとつとつと自慢話を続けるオヤジなんかが、ここで止まった人々です。

「なりたい自分になれ」は、もちろん、「5. 自己実現」に焦点が当たっています。
が、「10億人と話せる」は「3. 愛と所属の欲求」「4. 尊敬の欲求」「5. 自己実現」いずれにも当てはまってしまう。
「対象の幅が『なりたい自分になれ』より広いので、いいじゃないか」という議論もあります。それは、「なりたい自分になれ」が出現していない場合は正解です。

しかし、「なりたい自分になれ」が視野に入ってしまうと、ターゲットの個人は、「話が漠然としている」「10億人と話してどうするの」となってしまい勝ちです。
つまり、「いずれにも当てはまってしまう」ということは、どれも中途半端だと言い換えられます。

もちろん、「あっ、そうか」とピンと来る人は存在します。が、「何でもできる」という汎用のパソコンより「インターネットができる」ことで、一般層にパソコンが広がったのと同様、個々人へ与えるインパクトの強さが違います。

ちなみに「10億人と話せる」は分かりませんが、「なりたい自分になれ」を元にしたスクール情報誌記事は、他のスクールを抑えて、ダントツ1位の問い合わせ数だったそうです。インパクトの強さがわかる一例です。

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以上のことから、「10億人と話せる」コンセプトは、

悪くはないけど、今となっては見劣りがする

もの、と考えています。

ただ、1点だけ指摘しておくと

「知らないことは、ないのと同じ」

という原則です。
ジオスの広告露出量が圧倒的にCtheDより多ければ、ジオスの方が生徒数を集めるでしょう。


【渡辺さんからのお返事】

ジオスの広告について詳しい解説、ありがとうございます。
なるほど、並べて考えてみると、「10億人と話せる」より「なりたい自分」の方が、直接的で強い感じがしますね。「10億人」という「なんとなくスゴそう」なものより、「なりたい自分」の方が「ワタシ」という個人にフォーカスしている分、メッセージ性が強いような気がします。「自分探し」に迷っている人にとっては、ある種の「勇気」をもらったような気分になるのだと思います。

ワタシが「10億人と話せる」を「おぉっ」と思ったのは、10億人とコミュニケーションが出来ることで、自分の世界・視野が広がっていくことやビジネスでのチャンスが増えることが、割と明確に意識されていたからであって、「わたしって一体…?」と思っている人にとっては、ちょっと茫洋としたイメージかもしれませんね。

で、ワタシが敢えて「"10億人"はどうですか?」と聞いたのは、ワタシ自身が「なりたい自分」という広告を「知らなかった」からです。

ここで、森さんが自説を主張するだけでなく、

|悪くはないけど、今となっては見劣りがする

|「知らないことは、ないのと同じ」

という部分にちゃんと目を配っておられて(ここまでは当たり前でしょうが)、文面で触れられていることは、なんとも誠実な感じがしました。

また、イロイロ教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

あ、ワタシが参加しているあるMLで、「私はこう見る」が面白いMMであると紹介されていましたよ。ちなみにそこには「電脳市場本舗」の筆者もいらっしゃいます。


【お返事】

>分、メッセージ性が強いような気がします。「自分探し」に迷っている人にとっ
>ては、ある種の「勇気」をもらったような気分になるのだと思います。

あっ、「勇気」って良い言葉ですね。
正にぴったりで、私がいいたいことを一言で言って頂いた気がします。
うーん、これを記事を書くまえに聞いていれば・・って、無理な話ですね (笑)

>という部分にちゃんと目を配っておられて(ここまでは当たり前でしょうが)、
>文面で触れられていることは、なんとも誠実な感じがしました。

ありがとうございます。
ほめられると恥ずかしいですが (笑)、私のポリシーでもあります。
自説を頑なに守ってしまうのは、かっこいいかもしれませんが、それでは、生活者のニーズを理解するには邪魔になってしまうからです。

>また、イロイロ教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

こちらこそ、よろしくお願いいたします。

>あ、ワタシが参加しているあるMLで、「私はこう見る」が面白いMMであると
>紹介されていましたよ。ちなみにそこには「電脳市場本舗」の筆者もいらっしゃ
>います。

あっ、そうだったんですか。
先日、Surfriderさんからメールを頂いてしまいました。
シストラットのリンクでSurfriderさんの「電脳市場本舗〜Marketing Surfin'」をオススメとしてご紹介したお礼でした。
私、「電脳市場本舗〜Marketing Surfin'」のファンなので、びっくりするやら、嬉しいやらで舞い上がってしまったのです(済みません。私、結構ミーハーなので (笑))。

 <ozeさん> 【生徒さんの内訳の情報も入手されてのお話ですか】

       「ややおもしろい」99.1.18

今回の話は、「若い女性(学生、OL)の心をつかんだキャッチでした、ちゃんちゃん」ということですが、CtheDの200%の伸び率の生徒さんの内訳の情報も入手されてのお話なんでしょうか。お話としてはまずまずの説得力がありますので、(こういう言い方は失礼ですが)フィクションだったとしても全然わからないですよね。
(私は、表記での表現力が弱いので、行間とニュアンスをくみ取って下さい。)


【お返事】

>ちゃん」ということですが、CtheDの200%の伸び率の生徒さんの内訳の情報も入手
>されてのお話なんでしょうか。

ご心配なく。抜かりはありません (笑)
公表できない入手経路も多いですが。
いずれにしても、英会話スクールの顧客の大半が若い女性であることは、公表データでもあると思います。

>お話としてはまずまずの説得力がありますので、
>(こういう言い方は失礼ですが)フィクションだったとしても全然わからないで

はい。ご指摘のとおりです。
ただ、3,000人もの読者の方々がいらっしゃるので、フィクションを書くと一辺にばれてしまいます (あるいは、苦情、訂正指摘)。従って、下手なことは書けません。そういう制御弁が機能していますので、今後もご心配は不要かと思います。

それぞれの方々へのご意見もお待ちしています。

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