readers' voice

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「みんな」って一体、誰なのさ 99.6.15 掲載【その6】

 <山口さん> 【どう使うかがポイントですよね】

        「かなりおもしろい」99.9.24

私はアパレルメーカーに勤務しておりますが、最近、弊社では初めて本格的なマーケティングリサーチ(アンケート5000通、グルイン100名)を、外部に依頼して行いました。
なんせ初の企画という事で、社内にはマーケティングの専門家もおらず、データの分析も未熟です。
その点で、今回のテーマは非常に参考になりました。
これからも、ぜひ拝読させて頂きたいと思っています。
ありがとうございました。


【お返事】

>私はアパレルメーカーに勤務しておりますが、最近、弊社では初めて本格的な
>マーケティングリサーチ(アンケート5000通、グルイン100名)を、
>外部に依頼して行いました。

これはまた大がかりな調査でしたね。
調査に莫大な費用をかけるクルマ業界でも、5,000サンプルの調査等はめったにやらないと聞いています。実際、1,000サンプルを越す調査は意識の高い大きな企業でも1年に1回あればいい方でしょう。
グルインも私は個人的に120名の大がかりなものを意識的にやったことはありますが、それでもその調査会社始まって以来の規模でした。

どんな結果が出たにせよ、そして、どのようにそのデータが使われたにせよ、是非、「見るデータ」でなく、「使うデータ」にして、生かして下さいね。
「こういう結果が出ました」
「ふーん。そうか、ありがとう」
で、報告書は書棚に眠ったまま、というのは良くある話ですから。


【山口さんからのお返事】

わざわざメールを頂き、どうもありがとうございました。

>どんな結果が出たにせよ、そして、どのようにそのデータが使われたにせよ、
>是非、「見るデータ」でなく、「使うデータ」にして、生かして下さいね。

おっしゃる通り、どう使うかがポイントですよね。
実は、その点が一番自信がないのですが・・・
以前もグルインをしたのですが、報告書を見た担当者が「これはターゲットと違う意見だ。参考にならない。」などという事で、マーケティング調査の位置付けは低いものでした。

そもそも、アパレルは「感性」が大事であり、自分の感性に合致しない事は、事実であってもありのままに見ようとはしない傾向にあります。
じゃあ、なぜやったんだ、という話になりますが、売上が好調とは言えない現状で、客観的な事実を正確に・多面的に把握し、ターゲットとユーザーのずれを異論も挟めぬ位明らかにしたい、という思いからです。
そのためには、単なる分析だけではなく、結果を具体的にどうアクションに落とし込むかも案として持っていたいと考えています。

これからも森さんのホームページは楽しみにしていきたいと思っています。


【お返事】

>以前もグルインをしたのですが、報告書を見た担当者が「これはターゲット
>と違う意見だ。参考にならない。」などという事で、マーケティング調査の
>位置付けは低いものでした。

良くある失敗です。
お気を落とさずに (笑)

>そもそも、アパレルは「感性」が大事であり、自分の感性に合致しない事は、
>事実であってもありのままに見ようとはしない傾向にあります。

はい。これは、アパレルだけでなく、エンターテイメント (映画、音楽等)、メディア (雑誌等) 等のような「クリエイティブマインドが大事だと言われる」業界に顕著な傾向です。

でも、実は、アメリカの映画産業はマーケティングや調査をフルに活用していることは、一部の人たちには常識ですし、週刊少年ジャンプが500万部を売っていた頃は、マーケティング重視の編集をしていたことも、知っている人は多い事実です。

「感性」は、その個人の感覚が正しく世の中を読みとっている時は、調査などとは比較にならないほど正確な予測ができますが、一旦崩れると雪だるま式にずれていくという恐い傾向があります。そういう意味でも、アパレル業界が調査を初めとするマーケティング手法を応用することは、正しいのだと私は考えています。

ちなみに、以前、ある雑誌の創刊とあるテレビ番組のプロジェクトをやったことがありました。こういう正に「感性を理性で説明する」という仕事は面白かったです。

 <塩手さん> 【数字やその扱い方の重さを改めて感じました】

        「かなりおもしろい」99.6.25

今回は、数字で納得に加えて、図で納得ってところでした。
 普段何気なく使っている図の使い方に対して、実は曖昧な考えしか持っていない事に気づかされました。う〜ん為になります。

 さっそくテレビや新聞などの図の使い方を見てみると・・・
確かに、森様の言うとおり、強調したいところの差が明確になるよう「波線足切り」を都合よく使用しておりました。

 グラフの基本は、1対1.4なのですね?A4用紙を調べると確かにその通りですね。これは、ちょっと無知すぎました・・・

PCのモニターもそのサイズですね。普段使っているものばかりなのに無頓着過ぎるのかな?そこまで、頻繁に人が見るものとして、あふれているところを見ると、グラフの基本という部分に納得ですね(当たり前なんですよね・・・研究技術者としては、お恥ずかしい・・・)

 数字やその扱い方の重さを改めて感じましたm(__)m

 ところで、最後のおまけですが、確かに1=2になるのですが、何か騙されているような・・・


【お返事】

>さっそくテレビや新聞などの図の使い方を見てみると・・・
>確かに、森様の言うとおり、強調したいところの差が明確になるよう
>「波線足切り」を都合よく使用しておりました。

こういうところが塩手さんの良いところです。
だから、逆に、変なことは書けない、と記事のクオリティが上がる源泉となっています。

>グラフの基本は、1対1.4なのですね?A4用紙を調べると確かに
>その通りですね。これは、ちょっと無知すぎました・・・

でも、知っている方はそう多くありませんから、ご心配なく。
以前在籍していたコンサルティング会社でも改めて新人用に、あの記事を印刷してコピーしているようでしたし。

>数字やその扱い方の重さを改めて感じましたm(__)m

数字って、無頓着でもいけないけれど、振り回されても損ですよね。
気楽につき合いましょう。

>ところで、最後のおまけですが、確かに1=2になるのですが、
>何か騙されているような・・・

騙しているわけではありませんが (笑)、正解をアップしました。もうご覧になったかも知れませんが、ご参考まで。

 <り〜みんさん> 【簡単な理屈が分からない莫迦ばかり】

        「ややつまらない」99.6.24

>今回は、多変量解析がどうの、t 検定がどうの、という小難しい話で
>はなく、身近に転がっている数字についてのお話です。統計学や数学
>をきちんと学んでいる方には物足りない内容ですので、おまけの問題
>を楽しんで下さい。

とのことでしたが、統計や数学をやっている人間にとっては、おまけの問題は有名すぎる問題だと思います。「みんな」知っている問題です (^^;

 私は、エンジニアとして某電機メーカに勤めるかたわら、翻訳などの仕事も個人的にしております。統計は学生時代にはあまり好きではありませんでしたが、それでも、会社においても、思った以上に統計を知らない人が多く、何かとハッタリとして利用させてもらいました。

 記事の内容は、日常感じていることに近く、興味はありましたが、正直申し上げて、当たり前すぎるという感じでした。普段から、どうしてこんな簡単な理屈が分からない莫迦ばかりなんだろう(ちょっと過激ですかね)と思っていたものですから。統計学と論理学とは、義務教育できちっと教えるべきだと考えています。

 ですから、今回の評価は、

●記事タイトル : 「みんな」って一体、誰なのさ
●評価 (不要なものを消して下さい):
  ややつまらない

とさせていただきますが、「みんな」を使う人に対処する森さんの偏執的な態度(一応褒めことばです)は、感嘆するとともに楽しませていただきました。でも、これで友人が減らないものかと余計な心配を (^^;

 直感による判断がいかに誤りやすいものか、自分と同じ意見の人の存在を実際以上に多く見積もってしまう特性などを、もう少し突っ込んで話を展開していただけたら、よりおもしろくなったかと思います。OL進化論を題材にしてクリティカルシンキングを解説した本の「クリティカルシンカー論」は、内容が分かり切っているにもかかわらず、楽しめましたから。

 統計がらみでしたら、因子分析の落とし穴などを取り上げていただくと、私にとってはおもしろいものになると思いますが、マーケティングの立場からすると、ニッチ過ぎて対象にならない、あるいは統計的にいうと外れ値として除去ということになるのかも (;_;)

 さて、エンジニアの立場からすると、現在、誰にでも(みんなに)使いやすい製品、バリアフリー→ユニバーサルデザインあるいは共用品といった考え方に基づく製品作りに興味があるのですが、この場合も、「みんな」がいったい誰なのかということが、問題になってくるようです。

 また、今回も自動改札のお話がありましたが、自動機械というのが本当に利用者のベネフィットと繋がっているのかという問題があります。たとえば銀行などのATM、これも窓口で意図を伝えれば処理できたことを、自分で自分の意図を手続きレベルにまで分解しなくてはならないという負担を、利用者にかけているわけです(しかも決められた順序があって、必ずしも利用者が思い浮かべた順序では機能しない! 最近少しこの辺の改善は見られますが)。

 この意図を自分で手続きに分解しなくてはならないというのは、乗車券の自動販売機でも同様で、窓口なら行き先を告げればよかったものを、行き先の料金を調べる→お金を投入する→料金にあったボタンを押すといった手続きを順番にこなしていかなくてはいけなくなってしまったわけです(場合によっては、乗り継ぎ駅やら利用する鉄道会社のボタンまで押さなくてはならない!)

 オーディオ製品なども一時は多機能化を追求していましたが、今では、一部では簡単に使えることをメインに押し立てている製品も出てきたようです。それでもまだ、オーディオ=マニア向けといった認識に基づいているものも多いようですが。

 製品を購入する人は、スペックが気に入ったから買うのではなくて(そういう人もいますが)、そこから得られるもの(楽しさ/便利さ/優越感など)を求めているわけですよね? エンジニアばかりで考えていると、どうもその辺がおろそかになるようで、マーケティングの発想を常に取り入れつつやっていかねばならないと自省しつつ、他のエンジニアの仕事をけなす毎日です (^^;

 何やら話がそれそうなので、この辺で。これからもメルマガを楽しみにしております。では、失礼いたします。



【お返事】

>とのことでしたが、統計や数学をやっている人間にとっては、おまけの問題
>は有名すぎる問題だと思います。「みんな」知っている問題です (^^;

はい。今回は正解者が続出して、それを身を持って体験しました。
プライベートでは100人に1人くらいしか正解者がいないのですが、さすがに、数字に強い方が多いのを知りました。

> 記事の内容は、日常感じていることに近く、興味はありましたが、正直
>申し上げて、当たり前すぎるという感じでした。

次は、もう少し高度にして、切り口を変化させることにします。
あまり高度にしすぎると、統計学を知らない方には難解になってしまうので、「初心者」というこのメールマガジンのターゲットから外れてしまうので。

>これで友人が減らないものかと余計な心配を (^^;

他の魅力がありますから大丈夫です (笑)
確かに職場では「変なことを言うと手厳しいツッコミが入る上司」として、恐れられていましたが (爆笑)

> 統計がらみでしたら、因子分析の落とし穴などを取り上げていただくと、
>私にとってはおもしろいものになると思いますが、マーケティングの立場
>からすると、ニッチ過ぎて対象にならない、あるいは統計的にいうと外れ
>値として除去ということになるのかも (;_;)

因子分析はある手法で日常的に使うものですから、その効用と限界は知っているつもりですので、記事は書けますが、ご指摘のとおりテーマとしてしんどいです。ごめんなさい。

> この意図を自分で手続きに分解しなくてはならないというのは、乗車券の
>自動販売機でも同様で、窓口なら行き先を告げればよかったものを、行き先
>の料金を調べる→お金を投入する→料金にあったボタンを押すといった手
>続きを順番にこなしていかなくてはいけなくなってしまったわけです

まったく同感です。
人によっては「改善ではなく改悪」になります。
マーケティングの立場から言えば、「選択肢がある」ことが重要になります。
最も市場規模が大きいものに対して1つの商品しか当てられないのは、旧式の企業活動です。従って、例えば、手数料は高いが「楽な窓口」、「手数料は安いが自分で作業を肩代わりする機械」といったような選択肢を用意することがマーケティングであり、それは、単なる「提供」ではなく、市場競争の原理や隙をつくという感覚で、自社に有利な状況を作ることから発生することが重要になるわけです。

> オーディオ製品なども一時は多機能化を追求していましたが、今では、
>一部では簡単に使えることをメインに押し立てている製品も出てきた
>ようです。

上記の観点で言えば、簡単操作のものもあれば、マニアが喜ぶ多機能もある。
これがある意味で正常な「みんな」の追求の結果だろうと考えています。

>エンジニアばかりで考えていると、どうもその辺がおろそかに
>なるようで、マーケティングの発想を常に取り入れつつやっていかねば
>ならないと自省しつつ、他のエンジニアの仕事をけなす毎日です (^^;

この点についてはマーケティングも同じです。
例えば、ホワイトカラーとばかりつき合っていると、学生ターゲットの商品の本質が見えません。

本音を言えば、シミュレーションなんだと考えています。
つまり、ある仮説をあるターゲットにぶつけ、その反応を見つつ、また、別なターゲットにぶつけてみる。その過程の中で、仮説を修正してまたターゲットにぶつける。
その作業を今までの蓄積や現在の情報の中で、高速でやってしまい、1つの結果を出す。でも、それは、まだ仮説ですから、最終的には調査で検証する。これをどれだけ高速にかつ正確にやるかがマーケティングの世界での勝負になります。

一方、共通点はありますが、私の知っているエンジニアの方々は、マーケティングの世界の人間よりよほどクリエイティブな人たちが多いと感じます。自分が持っている「技術者」のイメージは崩れ、「あ、『みんな』ジュールベルヌやアシモフなんだ」とびっくりします。

それぞれの方々へのご意見もお待ちしています。

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