readers' voice

読者の声・全文掲載版 : 98.12.8号 (5/6)

励ましや、おしかりの言葉、ありがとうございます。

他の読者の方々の中にも、同じご意見を持った方がいらっしゃるかも知れません。自分の考えをまとめるための参考になる場合もあります。だから、「読者の声」は大事にしたいと考えています。
原則として、原文を掲載しています。新しい声から順番にご紹介しています。

それぞれの方々へのご意見もお待ちしています。
こちらのフォームで投稿するか、voice2@systrat.co.jp へお送り下さい。

この色は皆さんの声 (お返事付) この色は皆さんへのご意見です
この色は皆さんの声 (お返事なし)

サービス悪けりゃ、命取り 98.11.15 掲載

 <みどりさん> 【もはや一部の声ではない?】
        「かなりおもしろい」98.11.15

 遅ればせながら、学生のみどりです。先日は丁寧なご回答、ありがとうございました。
これからもっと広い目で物事を考えていかなくては、と痛感しました。
とても貴重な時間を割いて「本音情報」を送ってくださるのに、こちらはただで受け取ってばかりも申し訳ない。
なので微力ではございますが、一大学生として、今後頻繁に記事評価を試みてゆきたいと思います。
これで何かお役に立てたら幸いです。

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●記事タイトル : サービス悪けりゃ、命取り
●評価:  かなりおもしろい

(全般) 

ためになりました。私はサークルで、海外企業研修の斡旋を中心としたプログラムを推進しているのですが、研修を引き受けてくださる企業様、研修に参加してくれる大学生は私たちにとって「顧客」です。
何が一番大事かこの記事で再確認しました。自己満足に陥らないようにしなくては。

(観察調査について)

ご苦労様でした。大変な作業だったのではないでしょうか?

>実は、かなり客層が低年齢化しています。
>彼らの行動は、「談笑し、勉強し、(仕事の打合せをし)、
>お腹が空いたから食事を注文する」という滞在型になっています。
>ファーストフード店より、
>●席がゆったりしている
>●長く滞在しても文句を言われない
>●夜中でも営業している
>といった理由でマクドナルドに行かなくなったという声まで届いてきています。

おっしゃるとおりです。もはや一部の声ではない?という気もします。
 まさに私などは上記の「彼ら」の部類に入ってしまうわけですが、私や周囲の友人のファミレスの存在価値は「夜遅くまでおしゃべりできる」こと、あとは「安ければなおよし」で、(CASAみたいなのが理想型になってしまうのです)従業員が目を光らせているほうが居心地が悪く思えてしまうこともあります。

サークルのミーティング場を借りている感覚です。
従業員の質の悪さも「結局ここしか深夜は開いてないから」ということで店に行かなくなる要因と関係がなくなっています。

営業時間を長くすることで、接客がダメでも深夜の飲食業はファミレスの独壇場になってしまいますね。
 その分昼間はサービスのいいところに客をもっていかれるのでしょうが。
日中/深夜という時間帯で、飲食業の棲み分けが形成されているのでしょうか。

ダイヤモンドの「顧客満足度ランク」ではより年代別に、特に学生だけを抽出したら、また違う結果が出てくると思います。
逆に主婦・会社員だけを抽出したら、ファミレスの批判度がもっと高まるのかも知れません。

観察調査、面白そうですね。アマチュアですが私も何かやってみたいと思います。
就職活動が近いので、資料請求や面接時の企業の対応とか数値化してみましょうか。

余談ですが
 実は顧客満足度トップのディズニーランドに偶然にも明日遊びに行くのです。
私も今までの経験からして調査結果に納得です。
恥ずかしながら「アリスのティーパーティ」を回しすぎて気分が悪くなったときがあります。

DL内のピザ屋でそれを言ったら、従業員さんはすぐに地下の医務室に連れていってくれました。(さながら魔法の洞窟です、さすがに医務室までの地下道は打ちっ放しでしたが)その小部屋では常駐している看護婦さんが親切に面倒を見てくれ回復した私はまた友人と楽しいひとときを過ごすことができました。

ディズニーランドの「強さ」は何といっても夜の光のパレードで、観客に夢を見せると同時に日中長時間も並んだ疲れを「ちちんぷいぷい!」と忘れさせてしまうところにあると思います。
・・・そんなわけでまた魔法をかけられてしまうのでしょうね・・・

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長くなってしまいました。
毎回とても楽しみにしています。今後もよろしくお願いします。


【お返事】

> 遅ればせながら、学生の小林です。先日は丁寧なご回答、ありがとうございました。
>これからもっと広い目で物事を考えていかなくては、と痛感しました。

前回は、鋭い質問も多かったので、回答するのも楽しかったです。
こちらこそ、お礼を申し上げます。

>一大学生として、今後頻繁に記事評価を試みてゆきたいと思います。
>これで何かお役に立てたら幸いです。

とんでもありません。
大変助かります。
よろしくお願いいたします。

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>研修を引き受けてくださる企業様、研修に参加してくれる大学生は私たちにとって
>「顧客」です。
>何が一番大事かこの記事で再確認しました。自己満足に陥らないようにしなくては。

正に前回お話ししたように、「自分に置き換える」ということを早速実践されましたね。素晴らしいことです。
これから、どんどん成長されると思います。頑張って下さい。私もできるだけ応援いたします。

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>ご苦労様でした。大変な作業だったのではないでしょうか?

楽しみながらやっていたので、苦にはなりませんでしたが、作業そのものはご指摘のとおり、結構大変でした。特に、腕が疲れました (笑)

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>従業員が目を光らせているほうが居心地が悪く思えてしまうこともあります。
>サークルのミーティング場を借りている感覚です。

すみません。思わず笑ってしまいました。
確かにそのとおりです。「(一部の客にとって) サービスが悪い (?) 方が」良いサービス、ということですものね。

>営業時間を長くすることで、接客がダメでも
>深夜の飲食業はファミレスの独壇場になってしまいますね。

>日中/深夜という時間帯で、飲食業の棲み分けが形成されているのでしょうか。

ご指摘のとおりです。
そういう意味で、現在のファミレスは差別化を実にうまく実践しました。
その結果、滞在型の顧客に対するニーズはほぼ最高、というところまで行っていると思います。皮肉でもなんでもなく、これはほめるべきポイントです。

ただ、問題なのはファミレスは食事の提供で利益を上げているわけですから、その利益構造およびオペレーション構造が、滞在型に追いついていない、という点です。ファミレスの平均客単価1,000円〜1,200円、マックの客単価600円を見ても分かるとおり、食事を提供しなければ、現在の形の営業形態は維持できないのです。

従って、極端な話、「コーヒーお代わり自由」「深夜でも空いている」といったファミレス独自のベネフィットだけを追いかけて、セルフ形式のファミレスが出現してもおかしくないのですが、それだと、恐らく、オペレーションに大ナタ振るわなければ、利益が出てこないでしょう。そういう意味では、レストランであってレストランでない、中途半端な業態になってしまっています。

もちろん、ガスト等のようなコンセプトをギリギリ絞った実験も行われたり、サンマルクのようにコース料理しか出さないような店も出ており、それなりに成果を上げているようですから、先行きはそんなに暗いものではありません。

また、本場アメリカではトニーローマのようにスペアリブだけに固執したり、TGI では、バーカウンターを併設して大人の客層を開拓したファミレスと差別化、特化が進んでいます (TGI は来年日本に進出するようです)。

現在のファミレスはターニング・ポイントに差し掛かっており、これからが楽しみな業態でもあると思います。

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>ダイヤモンドの「顧客満足度ランク」ではより年代別に、特に学生だけを
>抽出したら、また違う結果が出てくると思います。
>逆に主婦・会社員だけを抽出したら、ファミレスの批判度がもっと高まるのかも知れま
>せん。

はい。そのとおりだと思います。
ただ、今回の記事の発端の一つは、その学生さん達ですら、水を向けると「ファミレスの低いサービスは気になる」と答えた点でした。彼らは確かに満足度は高いものの、接客に満足しているわけではありません。マックのセルフとは質が違います。
もちろん、それが来店動機になっていないので表面的には問題化していません。

でも、例えば、「コーヒーお代わり無料」「24時間営業」で、「接客サービスは鳥良並」となると、話が違います。いつもは、客席を気にしていないように振る舞っているのに、手を上げるとサッと飛んでくる、客が親切に皿を片づけようとすると「申し訳ありません」と一言添える、あるいは「ありがとうございます。私がやりますのでお客様はそのままで結構です」と加える。

「料理が高くてまずい」というのはとりあえずおいておいて、こういう店ならどうでしょう。教育コストという目に見えないコストはかかりますが、ハード面での投資はゼロです。

学生さんの評価は多少高まりこそすれ、下がることは絶対にありません。それより、従来来店していた本来の客が戻ってきます。利益構造が今のままなら、ファミレスにとって損なことはありません。

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>観察調査、面白そうですね。アマチュアですが私も何かやってみたいと思います。
>就職活動が近いので、資料請求や面接時の企業の対応とか数値化してみましょうか。

いいですね。
レポートができたら公表しませんか?
実名はさすがにまずいかも知れませんが (笑)、「私はこう見る」特別編というのもありかも (笑)

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>DL内のピザ屋でそれを言ったら、従業員さんはすぐに地下の医務室に
>連れていってくれました。(さながら魔法の洞窟です、さすがに医務室までの地下道は
>打ちっ放しでしたが)その小部屋では常駐している看護婦さんが親切に面倒を見てくれ
>回復した私はまた友人と楽しいひとときを過ごすことができました。

さすがに、TDL ですね。
他のテーマパークや遊園地ではわかりませんが、「TDL ならあり得るだろうな」という感覚を持たせるのも、TDL の接客の質が高い証拠ですね。

>・・・そんなわけでまた魔法をかけられてしまうのでしょうね・・・

そうですね。
「奇麗に騙される」のは TDL ならではです (笑)

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今回のみどりさんのご意見は大変参考になりました。
ありがとうございました。
また、みどりさんが「置き換えて考える」や「自分でも実験してみる」等、深いところで実践しようとする姿勢を大変強く感じ、嬉しいです。
是非、頑張って下さい。
また、冒頭でもお話ししたように、私もできるだけ応援いたしますので、お気軽にまたご連絡下さい。

 <Nobさん> 【呼べばすぐ来る接客サービスより、コーヒーおかわり自由】
         「かなりおもしろい」98.11.15

こんにちは。
今回も非常に楽しく読ませていただきました。

今回の記事を読みながら、ファミレス等へ行った時の事を思い出してみました。食器を片付けさせるかどうかはピンときませんでしたが、呼んでも来ないというのは納得するところでした。でも、それ以上に思ったのはその事に対して、ファミレスなどのチェーン店ではそんなもんだな、と思っていた自分の慣れでした。

一生懸命、店員を探して呼んだり、近くを通り過ぎる店員に声をかけたりと、当たり前のように行い、当たり前の事と思っていました。逆に、チェーン店でない店では、確実にお客の行動を観察して、注文が決まったようだと判断して呼ばなくても注文を聞きに来てくれる。そこまでは行かなくても、呼べばすぐ来る。これが当たり前のような感じがしていました。
こう思ってしまっている私たちも、ファミレス等の接客サービスを悪くしてしまっている原因なんでしょうか。

確かに、現在私がファミレスに対して求めているものは、そうしたあたり前のサービスでは無いような気がします。
複数の人がいて、食べたいものが定まらない時に、メニューの豊富なファミレスを選んだり、夜遅いから選んだり、何かを食べながらゆっくり話のできる場所として選んでいます。
だから、呼べばすぐ来る接客サービスよりも、コーヒーおかわり自由のサービスの方が、求めているサービスにあっている気がします。

そう考えると、森さんの言う通り、ファミレスがターゲットを変えたと言うことが良く分かります。

ただ一つ、マクドナルドなどファーストフードとは、やはり自分の中では求めるものが違うため、棲み分けはできていると思うのですが・・・。


【お返事】

>その事に対して、ファミレスなどのチェーン店では
>そんなもんだな、と思っていた自分の慣れでした。

そうなのです。
そこが、コンサルタントの腕の見せ所で (笑)
つまり、生活者も企業も当たり前だ、「そんなものだ」と慣れている (あきらめている) という部分にこそ、ニーズの穴があるのです。本来の姿に戻して上げるだけで、生活者は自分達が我慢していたんだ、ということに気がつき、新製品や新サービスに殺到する。これがヒットの1つの条件です。

それは、ことばを変えれば、当たり前のことを当たり前にやる、ということです。

「偉大なる平凡人」という言葉を私はよく使いますが、その資質があればこそ、こういう穴が見つけやすくなります。

>こう思ってしまっている私たちも、ファミレス等の接客サービスを
>悪くしてしまっている原因なんでしょうか。

いえいえ。生活者は反省などする必要は全くありません。
例えば、パソコンやパソコンゲームは半完成品です。バグだらけだからです。
確かに、プログラムにはバグがつきものです。だから、仕方がないのだ、とパソコンやソフトメーカーは主張していました。そして、パソコン市場を支えてきたパソコン・ファン (ヲタクと言っても良いでしょう) はそれを容認してきました。

でも、家庭用ゲーム機がその「常識」を覆しました。
パソコンゲームとくらべてバグが圧倒的に少ないのです。
「いや、市場の規模が違う」と言う方もいらっしゃいます。それは、市場規模を拡大する努力をしてこなかっただけなのです。

確かに生活者が市場を育てるのはいいことです。でも、それがために企業が努力を怠り、甘えているのでは健全な成長はできませんし、パソコンの例で見るようにそういう傾向が強くなるのです。

生活者はわがままであるべきです。
本当に市場や企業を育てるのは、そのきびしさだと思っています。

>複数の人がいて、食べたいものが定まらない時に、
>メニューの豊富なファミレスを選んだり、夜遅いから選んだり、
>何かを食べながらゆっくり話のできる場所として選んでいます。

もちろん、そういうニーズがあっても結構です。
そういうニーズの方が接客サービスよりも大事だ、という層にファミレスは支持されているのですから。また、そういうニーズを具現化しているのはファミレスだけですし。

>そう考えると、森さんの言う通り、ファミレスがターゲットを
>変えたと言うことが良く分かります。

はい。そのとおりです。
そういう意味でいえば、ファミレスは良い仕事をした、と評価しています。

>ただ一つ、マクドナルドなどファーストフードとは、やはり
>自分の中では求めるものが違うため、棲み分けはできている
>と思うのですが・・・。

もちろん、そういう方もいらっしゃいます。
大事なのは、「どういう棲み分けが自分の中でされているのか」を考えて明確にしてみることです。そして、棲み分けができず、マックと競合する人たちはどういう理由からなのだろうか、と考えて (想像して) みることです。
自分のぼやっとした感覚を明確にすることが第1段階の練習です。

Nobさんはそろそろそういうことに慣れてきたようです。毎回のコメントを読んでいる限り、第1段階はかなり定着しました。素晴らしいことです。
次のステップは「自分でない他人」の考え方を想像してみることです。それを積み重ねることによって、冷静な観察や判断ができるようになるでしょう。

ちょっと教育っぽい話でごめんなさい。
でも、Nobさんならできるはずです。チャレンジしてみて下さい。


 <小枝さん> 【「外食産業を成功させるのに大事なこと」ではない】
       「?????」98.11.15

森さん、こんばんは。
今回も面白く読ませていただきました。

私は法律科の出身で(だからというのはただのいいわけですが)、統計の手法については全く知りません。そのくせ、仕事でお客様や取引先の人との関わりの中から、感覚的に(それはもう数字とはまるで無縁に)いろんなデータを拾った気になっていつも失敗します。
定性的なものの捉え方ばかりしており、数感ゼロなのは困ったものです。

思うに、自分は今回のMMにあった「心理学でいうところの学習」が速いのでしょう。いわゆる「学習」が人よりも遅いのに、「懲りる」ことばかりスピーディーなのは我ながらなんとかしたいものです。

多くの読者の方は、データを読み込んでその内容について思うところがおありなのでしょうが、私の場合は「こんなに”ハッキリ”しているのに、有為差はギリギリなの?」ということにまず驚きました。
普段の自分のいいかげんな(小さな偏りから勝手な傾向を割り出して一般化してしまう)判断を思い知らされます。

ところで、些末なことですが

>   「学生時代に空間プロデュース等の仕事をしたことがあります」
> という方に採用面接することが以前在籍していた会社で良くありました。
> 要するに、カフェバーやレストランの開業企画に携わったというわけです。
> 私の質問は
>   「素晴らしいですね。何が一番大事だと思いますか?」
> ですが、99%がこう答えます。
>   「・・・インテリア、話題性、立地です」
> ・・・誰一人採用になりませんでした。

> それ以上、足を運んでもらうために必要なのは
>   「料理、値段、従業員、立地」

というお話がありました。
これは、99%の方が答えられたことが普通のような気がします。(普通だからこその数字ですが)

というのは、彼らは「空間プロデュースの仕事」をしたと言い、それに対して「何が大事か」と訊ねているのですから、その返答は「空間プロデュース上大事なこと」であって、「外食産業を成功させるのに大事なこと」を答えたのでは逆に不適切なように思います。もちろん、仕事をタテに割ることが大切だというようなことが言いたいのではないのですけど、いろいろな仕事の分担というものがあって、その範囲の中で最も大切なものというのは、全体を貫く一つの共通目的の他にスペシャリストとしてのナンバーワンプライオリティーがあるのではないかと思うのです。面接の場にいたわけではないので細かな話の流れは知り得ませんけれど・・・。いずれにしても、「カフェバーやレストランにとって」一番大事なことは?と質問して、いきなり「インテリア」などと言う人はいないと思うのです。

なんだか文章が空中分解しているかな。
達意の用を足していなければ済みませんが、失礼ながら少々飲んで書いていますので・・・。ホント失礼だ・・・。

ともあれ、いつも楽しみにしています。
これだけの内容を維持されるのは大変でしょうが、これからもよろしくお願いいたします。


【お返事】

>思うに、自分は今回のMMにあった「心理学でいうところの学習」が
>速いのでしょう。いわゆる「学習」が人よりも遅いのに、「懲りる」こと
>ばかりスピーディーなのは我ながらなんとかしたいものです。

すみません。
さすがに、コメントは控えさせていただきます (笑)

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>おありなのでしょうが、私の場合は「こんなに”ハッキリ”しているのに、
>有為差はギリギリなの?」ということにまず驚きました。

サンプル数が小さいので、これだけの差があっても有為差が出てこないのです。
有為差の検定自体、サンプル数が小さいと異常値処理に弱くなってしまうので、現実的にはあまり気にしていません。

でも、統計という代物はやっかいです。私も時々格闘してしまい、統計の先生に教えを請うときもあります。元が実務家出身なので、「情報収集は細心に、分析は大胆に」というシストラット調査10ケ条を守るべく、細かいことは気にしないでデータを見るようにしています (言い訳ですね (笑))。

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>細かな話の流れは知り得ませんけれど・・・。いずれにしても、
>「カフェバーやレストランにとって」一番大事なことは?と
>質問して、いきなり「インテリア」などと言う人はいないと
>思うのです。

申し訳ありません。
記事中では説明不足でした。
空間プロデュースというのは、「カフェバーやレストラン」全体を見る監視塔のようなもので、彼らがどれに力を入れるべきか、等の判断をするのです。
従って、驚かれるかも知れませんが、「いきなり『インテリア』などと言う人」が99%だった、という訳です。

もちろん、これには理由があります。
10年ほど前の当時は、六本木トゥーリアや渋谷ドクタージーカンズ等の「オシャレ系」飲食店が流行した後でした。その発想の原点は飲食業としてのビジネスではなく、不動産としてのビジネスだったのです。

例えば、シャンデリアが落ちて死者を出した六本木のディスコ「トゥーリア」があった場所は、六本木交差点のちょっと奥まったところにありました。ここの土地価格は六本木の中心地の半額だったのです。そのため、その土地を所有している不動産会社は「こんな場所でも客は入るのだ」ということを証明すれば、土地の価格が跳ね上がることを計算して、短期的な商売しかしない店をつくったのです。元々、2-3年間で元が取れれば利益が出なくても良い、という発想です。もちろん、トゥーリアはその証明が終われば、閉店する予定でした。

ですから、鼻から「接客、料理」等と言った長期的な展望はなく、即効で客が入る話題性や内装に重点を置いたわけです。そして、その当時の空間プロデューサーもそれを理解していたのです。

ところが、一時的にせよ客が集中しているのを見て勘違いした人種がたくさんいました。
その背景を知らずに、単に「客が入っている」ことだけを見て、長期的にビジネスをしなければならない店で、その手法を使ってしまったのです。99%の学生企画集団は物まねだけで得意げになっているだけです。基本を分かっていないで鼻ばかり高い人に、コンサルタントになってもらう程、クライアントに迷惑をかけることはありません。彼らが不採用になったのはそのためです。

>なんだか文章が空中分解しているかな。
>達意の用を足していなければ済みませんが、失礼ながら
>少々飲んで書いていますので・・・。ホント失礼だ・・・。

いえ、ちゃんと分かりました。・・・のつもりです (笑)


【小林さんからのお返事】

ご丁寧なお返事、うれしいです。ありがとうございます。

> を請うときもあります。元が実務家出身なので、「情報収集は細心に、分析は大胆に
> 」というシストラット調査10ケ条を守るべく、細かいことは気にしないでデータを見
> るようにしています (言い訳ですね (笑))。

残りの9つはどんなのですか?
ヒミツでなければ教えて下さい。

> 空間プロデュースというのは、「カフェバーやレストラン」全体を見る監視塔のよう
> なもので、彼らがどれに力を入れるべきか、等の判断をするのです。

名前から「内装屋」みたいなことかと思いました。
もっと広い仕事なのですね。
根っこから勘違いしていました。

私は北海道の人間なので、東京のお店はあまり知らないのですけど、具体的な例ってわかりやすくていいですね。
なんだか生々しくて興味深いですし。
森さんの中にはそういう事例がいっぱいつまっているのでしょうか。
読みたいので本になって下さい。
破ったりしないですから。


【お返事】

>残りの9つはどんなのですか?
>ヒミツでなければ教えて下さい。

秘密ではありません (笑)
こちらで公表していますので、ご覧下さい。

http://www.systrat.co.jp/theory/reading/10rules.html

>具体的な例ってわかりやすくていいですね。

私自身が単純な思考回路しかありませんので、自分が納得するには具体的なものが必須なのです。

>森さんの中にはそういう事例がいっぱいつまっているのでしょうか。
>読みたいので本になって下さい。
>破ったりしないですから。

どうぞ、どうぞ。
たくさん詰まっています。
DVD-ROMでも納まりきれないくらい (笑)
破るのはかまいませんが、手垢が付くといけませんので、手を洗ってからにしていただくとありがたいです (笑)

 <沼田さん> 【謎が解けました】
       「かなりおもしろい」98.11.14

子供の頃に行っていたファミレスの雰囲気が、大人になって昼食時や就業後に利用するようになってから、「なんか、どうも感じが違うなあ・・・」と感じていたのですが、謎が解けました。


【お返事】

お客さんというのは、本当に敏感に臭いをかぎ取るものですよね。
確かに、理屈や言葉で表現できるものではないのですが、感覚で雰囲気をつかみ、その店に行く足が自然と遠ざかる。
企業にとっては、大変恐いものです。

でも、逆に言えば、「無言の理由」さえつかんでしまえば、かなりの部分が対応可能になります。しかも、競合他社が気がついていなかったとしたら、チャンスです。
マーケティングの醍醐味はそこにある、と常々思います。そんな仕事を私は楽しんでいます。

 <タマIIさん> 【製造業でも同じ】
        「かなりおもしろい」98.11.14

興味深く読ませていただきました。今回のテーマーは、レストランですが、製造業でも、戦術的にこのようなセンスの顧客満足度の向上が必要ですね。

ビジネスチャンスは、このようなベースがしっかりしていないと逃げていくものだと思います。


【お返事】

桃天に続き、コメントありがとうございました。
しかも、タマIIさんは今回の記事のコメント第1号です (笑)

>興味深く読ませていただきました。今回のテーマーは、レストランですが、製造
>業でも、戦術的にこのようなセンスの顧客満足度の向上が必要ですね。

正におっしゃるとおりです。
タマIIさんは確か技術部門の方でしたよね。ご参考までに、タマIIさんのヒントになりそうなお話をちょっとさせて下さい。

製造業の場合、「顧客満足」というと営業や販売の現場に意識が集中しがちです。もちろん、それはそれで極めて重要なことなのですが、例えば商品企画や設計部門でも、同じ考え方が応用できます。

「使い勝手」と普段言われていることなのですが、このことを生活者のニーズのひとつとして、おまけ的に考えるのではなく、「顧客満足」という観点から「品質」と同等に捉えていくと、かなり重要な局面が見えてきます。

例えば、生活者が包装を開けてからセッティングする、あるいは、スイッチを入れてからその機能を楽しむまでの人間工学的なアプローチを、本当の意味で調査や統計と合わせて見ていくと、今の多くの商品は様変わりすることと思います。
これは、従来は「経験値」としてしか蓄積されなかったものでしたから。

それぞれの方々へのご意見もお待ちしています。

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