ぶっそうなネーミングですが、定量調査はアンケート方式をベースにする限り、人間(対象者)の「思い違い」「勘違い」「希望的観測」など、様々な要素がデータを不正確にしてしまいます。
例えば、こんなケースはよく見かけるものです。
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あなたはこの商品をどれくらい買いたいと思いますか。今の気持ちに最も近いものを選び、 <1つだけ> ○をつけて下さい。
| 1. かなり買いたい |
4. やや買いたくない |
| 2. やや買いたい |
5. かなり買いたくない |
| 3. どちらともいえない |
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そして、「かなり」と「やや」を足し上げたものを「トータル・ポジティブ」と呼び、発売可否の判断をします。
この考え方に従えば、下図の「試作品
A」と「試作品 B」は、トータル・ポジティブが同じですから、まったく同じ評価を受けていることになります。
もちろん、このようなわかりやすいケースの場合は、「かなり買いたい」が多い「試作品 B」を選択するのは当たり前です。しかし、ここに「トータル・ポジティブ」の根本的な問題が潜んでいます。
このような事前調査をし、市場に商品を投入した後、まったく同じ対象者に追跡調査をを実施します。すると「かなり買いたい」と事前に回答した人のうち、70%
は実際にその商品を買っているのに対して、「やや買いたい」と回答した人のうち、商品を購入した割合はたった 30%
なのです。
購入意向以外にもまったく同じ事が言えます。
シストラットはトップボックス(「かなり」のデータ)しか分析対象としません。データに含まれる「ノイズ(不純物)」を取り除き、すっきりした形で現状を認識するためです。
従って、シストラットでは、上の例は明確に「『試作品 B』の方が『試作品 A』より、受容性が高い」と明言できるのです。このことは、トータルポジティブが幾ら多くても、トップボックスが少なければ「ダメ」「採用しない」という結論になる、ということを意味します。
また、判断基準をシンプルにすることによって、「ノーム(基準値)」が作りやすくなります。つまり、その基準値を超えない限り、「試作品
A」は他の試作品より評価が高くても、市場に投入してはいけない、という絶対値の判断ができるメリットがあります。でないと、「他の試作品よりマシ」なものしか市場に投入することができない、という事態に陥ります。「マシ」なものと、「買いたい」と思わせるものは違うのです。
この考え方は、例えばイメージ調査等にも応用できます。
普通、イメージ項目を調査し、ある商品のブランド・イメージを調べると、下図の上のグラフのようなものが出てきます。これをそのまま読むと以下のようにコメントができあがります。
| ブランド A は、一流で手づくり、そして伝統的だと思われているが、若干工業的なイメージがあることも見逃せない。 |
| ブランド A は、イメージの高い順から言うと、「手づくり」「一流」「伝統的」「最新の」「さわやか」となる。 |
これでは何のことかわかりません。「手づくり」と「工業的」は対立概念です。また、「最新」と「伝統的」も相反した言葉です。もしかしたら、ブランド
A は、その相反した概念を両方持っているかも知れませんし、一部の人間にはある面が、他の人間には別な面が見えているかも知れません。いずれにしても、現状がそのうちのどれなのか、が分からなくては、手の打ちよう
(戦略の立てよう) がありません。
ところが、調査データというのは、曖昧な部分を含んでいます。例えば、まったくテレビ広告を実施したことがない商品や企業でも「あなたはこの商品をどこで知りましたか?」という質問に対し、「テレビ」と回答する人間が
10% 程度は存在するのです。逆に言えば、ある一定の範囲のデータは「・・・でない」と解釈するのが正しいし、わかりやすくなります。つまり、上図の下段のグラフで言えば、「さわやか・・でない」「工業的・・でない」と解釈する、ということなのです。
従って、上図の下段の赤い丸のついたキーワードだけが、有効なデータとなります。
本来の下段のコメントはこうなります。
| 商品 A のイメージは、一流で、伝統的な手づくり製品である。 |
先程の例よりかなりすっきりしました。